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長冠

日本の妖怪 ウィキペディアから

長冠
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長冠(おさこうぶり)は、鳥山石燕による妖怪画集『百器徒然袋』に描かれている日本の妖怪[1][2]

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鳥山石燕百器徒然袋』より「長冠」

概要

頭部が(巻纓冠)の妖怪として描かれており、束帯を身にまとい、手にを持っている。『百器徒然袋』での解説文には、

東都の城門にかけて世をのがれし賢人の冠にはあらで このてがしはのふたおもてありし侫(ねぢけ)人のおもかげならんかしと夢ごころにおもひぬ

とある。「東都の城門」とは中国の歴史書『後漢書』に記されている王莽(おうもう)に仕えることを正しくないとして逢萌(ほうぼう)が官職を辞し自分の冠を東都の城門に掛けて去った「挂冠」(けいかん)と呼ばれる故事を引いたもので、長冠はそのような立派な冠とはまったく逆の「保身のために冠をずっと手放さないようなよこしまな者」の冠の妖怪ではないかと記されている[1][3]

石燕は沓頬とおなじ見開きに長冠を描いており、この2体は中国ことわざ田に履(くつ)を入れず下に冠(かんむり)を正さず」および、『徒然草』に冠(65段)と沓(66段)が登場することをモチーフにして創作されていると考えられている[1][4][2]

浮世絵師月岡芳年錦絵『百器夜行』(1865年)に石燕の長冠を参考にしたと見られる絵を描いている[5]

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脚注

関連項目

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