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間接効用関数
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間接効用関数 (かんせつこうようかんすう、英: Indirect utility function) は、財の価格ベクトル と所得 が与えられたときに消費者が達成可能な最大の効用を表す。この関数は、消費者の選好と市場条件の両方を反映している。
この関数が「間接的」と呼ばれるのは、消費者が通常、自らの選好を価格ではなく消費する財の量に基づいて考えるためである。消費者の間接効用 は、財の数量ベクトル 上で定義された効用関数 から計算できる。まず、効用最大化問題を解くことで最も好ましい購入可能な消費束 を求め、次にその消費束から得られる効用 を計算する。結果として得られる間接効用関数は次の通りである。
間接効用関数は次の性質をもつ。
- Rn+ × R+(ただし n は財の数)上で連続である。
- 価格に関して減少関数である。
- 所得に関して厳密に増加する。
- 価格と所得に関して0次の斉次関数である。すなわち、価格と所得を一定の定数倍しても同じ消費束が最適であり、効用の最大値は変わらない。
- に関して準凸関数である。
さらに、ロワの恒等式によれば、 が で微分可能かつ のとき、次が成り立つ。
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間接効用と支出
間接効用関数は、価格を一定にしたとき支出関数の逆関数である。すなわち、任意の価格ベクトル と効用水準 に対して:[1]:106
例
効用関数がコブ=ダグラス型 の場合を考える。このとき、マーシャル需要関数は次のように与えられる[2]。
ここで は消費者の所得である。間接効用関数 は、この需要関数を効用関数に代入することで得られる。
ただし である。効用関数は引数として与えられた数量に対する効用を示すが、それが消費者にとって最適かどうかには依存しない。これに対して間接効用関数は、与えられた価格と所得に対して消費者が最適に需要関数を導出したと仮定している点が異なる。
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出典
参考文献
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