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降雨強度
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降雨強度(こううきょうど)は、その雨が一定時間降り続いたと仮定した際の一定時間あたりの降雨量のことである[1]。通常この一定時間は1時間とし、mm/h(古い資料ではmm/hrを用いる場合もある)で表される[1][2]。本項では降雨強度曲線、降雨強度式についても記載する。
概要
要約
視点
降雨強度
降雨強度と混同されやすいものに降雨量があるが、降雨量は実際に雨が降った量を測定し、その時間内にどれだけの雨が降ったかという値である[2]。しかし1時間に30mmの降雨量があったとしてもこの1時間の間の雨量は一定ではなく、強くなったり弱くなったりしている。河川や排水などの計画においてはその強くなった時の雨量が重要であるため、「この強さの雨が1時間降り続いたと仮定した雨の強さ」である降雨強度(mm/h)を用いる[2]。降雨強度(I)は降雨量をR(mm)、その降雨の継続時間(分)をtとした場合I = R ×60/tで示される[2]。例えば10分で5mmの雨が降ったのであればI=5×60/10=30となり、その雨の降雨強度は30mm/hである[2]。
時間雨量のデータが存在しない若しくは不足している場合に24時間降水量から降雨強度を推定する式としては物部式、伊藤式、川上式が用いられる[2]。
- 物部式 - rt= R24/24(24/t)2/3[2](物部長穂による)
- 伊藤式 - rt= R24/24(34.7/t1.35+1.5)[2](伊藤剛による)
- 川上式 - rt= R24/24(30/t+6)[2](川上謙太郎による)
rtはt時間中の平均降雨強度、tは降雨継続時間もしくは洪水到達時間、R24は24時間降水量である[2]。
降雨強度曲線・降雨強度式
観測所のデータから一定時間あたりの降雨量を集めて降雨強度に換算した場合、継続時間が短いほど大きい降雨強度が、長いほど小さい降雨強度が出る[2][3]。これを散布図とし、それぞれの時間ごとに上からn番目の点[注釈 1]を結ぶ曲線を最小二乗法で描いて[注釈 2]、その曲線の中から適当なものを選んだ曲線が古くは降雨強度式として使われていた[2][4]。しかしこれは適当に選んだnの値以外は直接降雨強度式に関係していないこと、作者の主観によるところが大きいこと、1位の値を用いない場合その理由が不明瞭になること、資料年数以上の確率値を合理的に求めることが出来ないことなどの問題があった[2][3]。
現在はタルボット型、シャーマン型、久野・石黒型、君島型(クリーブランド型とも)の降雨強度式が広く用いられる[5]。
- タルボット型 - I= a/t+b[2](1891年、アーサー・ニューウェル・タルボットによる)
- シャーマン型 - I= a/t2[2](1905年、C.W.Shermanによる)
- 久野・石黒型 - I= a/√t±b[2](1927年、久野重一郎が発表したI= a/√t-bの式を石黒政儀が調査でI= a/√t+bの地域を発見し改めたもの)
- 君島型 - I= a/tn+b[6][7]
これらの定数a、b、nは期待値を求める確率降雨強度を算出して決定される。この算出にはトーマスプロット法、ヘーゼンプロット法などが用いられてきたが、現在は10分雨量と60分雨量のみでほとんど変わらない結果を得られる岩井、石黒による特性係数法を用いることが一般的である[5][8]。
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利用
公共事業や開発の流量計算で使用する降雨強度や流達時間などは都道府県や市町村などが技術指針などで定めているものを用いるのが一般的である[9]。なお、道路の路面排水では地域ごとに定められた固定値の標準降雨強度を用いる[10]。
脚注
関連項目
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