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騎士の夢 (ペレーダ)

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騎士の夢 (ペレーダ)
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騎士の夢』(きしのゆめ、西: El sueño del caballero, : The Knight's Dream)は、17世紀スペインバロック期の画家アントニオ・デ・ペレーダが1650年ごろに板上に油彩で描いた絵画で、17世紀のスペインにおいて一般的であったヴァニタスを主題として表している[1]。スペインの宰相マヌエル・デ・ゴドイのコレクションにあった作品で、1816年以来[1]マドリード王立サン・フェルナンド美術アカデミーに所蔵されている[1][2]

概要 作者, 製作年 ...
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作品

画面左側では、17世紀当時の衣服を纏った若い騎士が肘掛椅子の上で片手に頭を載せて眠っている。彼が寝ている間に飛んできた天使ラテン語で「Aeterne pungit, cito volat et occidit (永遠に刺し、素早く飛び、そして殺す)」と書いてある横断幕を広げている[1][2]。テーブル上に置かれているのは、象徴寓意となっている種々の事物である[1]

髑髏は死を仄めかし、カードは賭け事の不確実性に言及する。花は枯れる。2つの髑髏の間の燃えるロウソクは、生命の儚さの象徴である。時計は移ろう時を示唆する。硬貨や宝石類は、一時的でしかない富を表す。月桂樹の冠、、ピストル、王冠、王笏は政治的権力を、司教冠教皇の冠は宗教的権力を、女性の小さな肖像は愛を、楽譜、書物、仮面は音楽、文学、知識、演劇と関連づけられる喜びを[1]地球儀は世界における覇権主義と征服の欲望を表す[2]が、すべてが世界の虚しさを例示する事物となっている[1]。アントニオ・デ・ペレーダは事物を個別的に見事に描き出し、リアリズムを通してそれらの教訓的、寓意的、道徳的性質を強調している[1]

この17世紀スペイン絵画の傑作は、ペレーダのほかの2点のヴァニタス画と密接な関連を持つ。そのうちの1点は現在、美術史美術館 (ウィーン) に、もう1点はウフィツィ美術館 (フィレンツェ) に所蔵されている。また、本作は、セビーリャカリダー施療院英語版蔵のフアン・デ・バルデス・レアル作『束の間の命』と『世の栄光の終わり』とも関連している[1]

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ギャラリー

脚注

外部リンク

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