トップQs
タイムライン
チャット
視点

18世紀オーケストラ

フランス・ブリュッヘンによって結成されたオーケストラ (1981 - ) ウィキペディアから

Remove ads

18世紀オーケストラ(18せいきオーケストラ オランダ語: Orkest van de Achttiende Eeuw英語: Orchestra of the Eighteenth Century[注 1])はオランダ古楽オーケストラで、世界15ヵ国から優れた古楽奏者が集まって結成された。アムステルダムに本拠地を置く。 1981年、発起人は「リコーダーパガニーニ」と呼ばれた[1]現代屈指の奏者フランス・ブリュッヘンルーシー・ファン・ダール英語版Lucy van Dael)であった[2]。ブリュッヘンは私財を投じ、当初から「事実上の」プリンシパルであり音楽監督を務めた[3]。楽団を率いて来日した[1]翌年の2014年に死去する。共同創設者シューヴェルト・フェルスター(Sieuwert Verster)は1984年以来、オーケストラの運営を引き受けている。

概要 原語名, 別名 ...

創立当初は財政面を世界中の知己の援助、ベルンハルト王子財団賞(当時、現・文化基金賞オランダ語版[注 2])とオランダ政府それぞれの補助金に支えられ、その後、複数の大企業から後援を受けてきた[5]。当初は年に2回、世界各国で行ってきたコンサートは年5回になり、演奏旅行から本拠地のオランダに戻ると、帰国コンサートで当年の幕を閉じる。

管理上、アンサンブルは集合体として形成されているため、オーケストラのメンバー全員がコンサートからの収益を平等に分配する[2]

Remove ads

演奏・録音について

ブリュッヘンは18世紀オーケストラの気概を新鮮に保とうと努め、「代表者個人のオーケストラ」という狭い枠を作らないようにロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との共演や、ロジャー・ノリントンなどの客演指揮者の登用、更には弦楽パートのみの室内楽作品にも取り組んだ。

ブリュッヘンと18世紀オーケストラはモダン楽器の団体との違いを意識し、古楽器による合奏の特色を徹底して追求しており、現代オーケストラの均整の取れた演奏、「均等の美学」を真っ向から否定している。そこから演奏には今までの古楽器にないシンフォニックな、迫力のある響きが生まれる。ブリュッヘン自身が「私たちは〈傑作〉しか演奏しない」と語っているとおり、彼らの演奏は傑作揃いである。[独自研究?]

CD録音は1985年から始まり、ハイドンモーツァルトの中期・後期交響曲集、シューベルトベートーヴェンの交響曲全集など、優れた名盤が数多くある。レーベルフィリップス・クラシックス(オランダ)に登録されたほか、スペインの前衛的なグロッサ(Glossa)というレーベルでも交響曲を録音した[6][7]

Remove ads

名称

Thumb
演奏中のオーケストラ(2000年)

この楽団はバロック音楽のアンサンブルとして公式サイトで説明するとおり、あらかじめ正式名称をさまざまな言語に訳している点も特徴のひとつ。

楽団員と構成

60人編成の団員は出身が22ヵ国にわたり、どの団員も18世紀または19世紀の音楽に精通していて、また古楽器またはその複製品の演奏家である[5]。構成を演奏家の集合体と位置づけ、参加を希望する音楽家がオーディションを申し入れたり知己から紹介を受けると、面接を介して入団を認める。

以下、楽団員の氏名と、加入年を丸カッコ内に添える。

  • 本間正史(第1オーボエ、1981年)[1]
  • 山縣さゆり(バイオリン、1985年)[8]
  • 若松 夏美(バイオリン)[1]

客演

楽器名ごとに分け、氏名(姓の50音順)に続いて共演の年と場所を記す。

ピアノ
  • ユリアンナ・アヴデーエワ。2013年、福岡[1]
  • 海老彰子[1]
  • 川口成彦。2013年、福岡[1][注 3]
  • 小林愛実[1]
  • ダン・タイ・ソン。2005年、ワルシャワ。ショパンのピアノコンチェルト。1849年製造のエラールを採用[1]
  • トマシュ・リッテル。2013年、福岡[1] [注 3]

ディスコグラフィー

CiNiiより、出版年の早いレーベルの50音順。

フィリップス(1990年
  • ベートーヴェン作曲、 シラー作曲、フランス・ブリュッヘン指揮『交響曲第9番 op. 125 : "Choral" ; コリオラン op. 62』(フィリップス、ポリグラム(販売)、1990年)[注 4]
  • バッハ作曲、フランス・ブリュッヘン指揮『マタイ受難曲』(フィリップス、1998年)[注 5]
  • バッハ作曲、フランス・ブリュッヘン指揮『マタイ受難曲』(フィリップス、ポリグラム販売、1998年)[注 6]
同〈Digital classics〉シリーズ(日本フォノグラム販売、1990年
  • バッハ作曲、ブリュッヘン Consort指揮『ミサ曲 ロ短調, BWV 232』(フィリップス製造、日本フォノグラム販売、1990年)[注 7]
  • バッハ作曲、フランス・ブリュッヘン指揮『ヨハネ受難曲 : BWV 245』(フィリップス製造、日本フォノグラム販売、1993年)[注 8]
  • バッハ作曲、フランス・ブリュッヘン指揮『ヨハネ受難曲, BWV 245』(フィリップス、1993年)[注 9]
  • モーツァルト作曲、フランス・ブリュッヘン指揮『戴冠ミサ K. 317 : 証聖者の荘厳な晩課(ヴェスペレ)ハ長調 K. 339 ; アヴェ・ヴェルム・コルプス K. 618』(フィリップス製造、日本フォノグラム販売、1994年)[注 10]
  • モーツァルト作曲、フランス・ブリュッヘン指揮『戴冠ミサ K. 317 : 証聖者の荘厳な晩課(ヴェスペレ)ハ長調 K. 339 ; アヴェ・ヴェルム・コルプス K. 618』(フィリップス、1995年)[注 11]
  • ハイドン作曲、フランス・ブリュッヘン指揮『天地創造 = The creation : H.XXI no. 2』(フィリップス製造、Mercury Music Entertainment販売、1995年)[注 12]
グロッサ(2002年[6][7]
  • モーツァルト作曲、フランス・ブリュッヘン指揮『The last concerto, 1791』(グロッサ、2002年)[注 13]
  • ベートーヴェン作曲、ダニエル・ロイス指揮『荘厳ミサ曲』(グロッサ、東京エムプラス(販売)、2017年)[注 14]
  • ブラームス作曲、ダニエル・ロイス指揮『ドイツ・レクイエム』(グロッサ、東京エムプラス(輸入・発売)、2018年)[注 15]
  • ロッシーニ作曲、アンジェロ・アネッリ(台本) ; ジャンカルロ・アンドレッタ指揮『アルジェのイタリア女』(グロッサ、東京エムプラス(輸入・発売)、2023年)[注 16]
Remove ads

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads