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1992年のイギリスツーリングカー選手権

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1992年のエッソRAC イギリスツーリングカー選手権 (1992 Esso RAC British Touring Car Championship season) は、イギリスツーリングカー選手権の35年目のシーズン。4月1日のシルバーストン・サーキットで開幕し、10月6日の同地における最終戦まで全13戦で争われた。

1992年のイギリスツーリングカー選手権
前年: 1991 翌年: 1993

レギュレーションの変更

シーズン概要

要約
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1992年のイギリスツーリングカー選手権シルバーストンで開幕し、ボクスホールジョン・クレランドが厳しい冬季テストの甲斐あって新ラップタイムを記録して勝利した。クレランドはスラクストンでの第2戦も、トヨタアンディ・ロウズを押さえて勝利した。前年のマニファクチャラーズタイトルを獲得したBMWは新型のBMW・318is(2.0リッターのS14エンジンのバリエーションを搭載)の開発に苦労した。ワークスチームのプロドライブのマシンはティム・サグデンと元F3000ドライバーのアラン・メニュがドライブし、セミワークスチームのヴィク・リー・レーシングのマシンはティム・ハーベイレイ・ベルムスティーブ・ソパーがドライブする。しかしながらソパーはドイツツーリングカー選手権でのクラッシュに関与したことでBTCCの数ラウンドを欠場することとなる。

第3戦のオウルトン・パークでジョン・クレランドはトヨタワークスのウィル・ホイ、アンディ・ロウズのペアに先行したが、その後順位を落としトヨタの二人がレースをリードした。ホイはその後奇妙な電気的問題で一時的に減速しロウズに先行されるが、すぐにその差を取り戻す。ロウズが再びリードし1周回するが、ホイは再度抜き返した。再びホイに電気的問題が生じ、結局レースがロウズが勝利した。クレランドは11位でフィニッシュし、ロウズがポイントリーダーとなる。

第4戦のスネッタートンでホイはポールポジションを獲得、レースでもBMWのジョン・クレランドとアラン・メニュを押さえて勝利した。メニュはBMWに今シーズン初の表彰台をもたらした。第5戦の ブランズ・ハッチではホイとロウズが共にリタイアし、トヨタのタイトル挑戦は大きく後退した。ホイはレース序盤でロウズとクレランドに先行したが、クレランドはすぐにロウズを抜き、ホイにプレッシャーをかけた。第2ラップのサーティース・コーナーでホイはプレッシャーからギアチェンジをミスし、クレランドが先頭に立つ。トヨタの2台はクレランドを追ってウェストフィールド・コーナーに入ったが、そこで両者は接触、フルスピードでバリアに突っ込んだ。クレランドは容易に勝利し、チームメイトのジェフ・アラムが2位、ピットスタートしたスティーブ・ソパーが3位となった。

シーズン最初のダブルヘッダーはドニントン・パークで行われ、ウィル・ホイはブランズ・ハッチでの不運にもかかわらず、ドニントン第1戦で勝利した。クレランドはレース終盤にコダード・コーナーでロウズに対して大胆に仕掛けて2位に入り、ロウズが3位となった。10分の休憩後に第2レースが始まった。第2レースのスタートは混乱に陥った。ロブ・グラヴェットプジョー・405がコントロールを失ってピットウォールに接触、ジェフ・アラムとロウズが巻き込まれた。ティム・ハーヴェイは、オールド・ヘアピンでクレランドのミスを利用してボクスホールにプレッシャーをかけたが、2人のバトルの間にレース1勝者のホイとボクスホールのデイビッド・レズリーがバトルに加わり、レズリーが最初にリードしたが、エッセでホイがレズリーを抜き、ハーベイが続いた。6周目にハーベイはメルボルン・ヘアピンでリードを奪い、ホイのプレッシャーを受けながらも勝利した。

クレランドは4位に入り、ポイントリーダーとなった。彼は104ポイントを獲得したが、レースの勝者ハーベイは39ポイントでランキング5位にとどまった。この時点でクレランド、ホイ、ロウズ、アラムがタイトル争いをリードする。

シルバーストーン・ラウンドはイギリスグランプリのサポートレースであった。ジェフ・アラムがシーズン初勝利を達成した。アラムはベケッツでチームメイトのクレランドを抜いて勝利した。苦戦したクレランドは最終的にホイに次いで3位に終わった。アラムはこの勝利でランキング3位に浮上、ランキング2位はレースの序盤にエンジンの問題で悩まされた後リタイアとなったアンディ・ロウズであった。

続くノックヒルはBTCC初開催であった。大雨でパレードが台無しになったが、このイベントは印象的なものだった。後のWRCチャンピオン、コリン・マクレーがBMWからゲスト参戦し、レース1で8位入賞、レース2ではマット・ニールに対して危険な追い抜きをしたため失格となった。マクレーのチームメイトとなったアラン・メニュは予選後にパドックでクアッドバイクから落ちて足を負傷し、欠場となった。彼の代役としてシーズン残りに参戦したのはクリス・ニッセンであった。

デイビッド・レズリーが先行したが、すぐに同じボクスホールのジェフ・アラムからプレッシャーを受ける。前戦シルバーストンで勝利したワークスのボクスホールはハンドリングが良く、レズリーはありふれたミスを犯しアラムはそれを見逃さなかった。リードを奪ったアラムはそのままティム・ハーベイとアンディ・ロウズを押さえて勝利した。第2レースではハーベイがアラムとクレランドを押さえて勝利した。

ペンブレイでは初のBTCCが行われた。ウェットコンディションの中、ポールポジションを獲得したハーベイがスタートからフィニッシュまでレースをリードした。チームメイトのスティーブ・ソパーはハーベイにプレッシャーをかけ続けたが、追い抜くことはできず2位でレースを終えた。ティム・サグデンはかなり遅れて3位に入った。これまでアンディ・ロウズはタイトル争いからかなり後れをとっており、チームメイトのウィル・ホイを支援することに集中していた。タイトル争いはホイ、ボクスホールのクレランドとアラム、チームメイトのスティーブ・ソパーから支援を受けるティム・ハーベイに限られてきた。ソパーはドイツツーリングカー選手権でのクラッシュによる欠場も済み、シーズン残りのレース全てに出場することとなった。

ブランズ・ハッチは第12戦と第13戦、二度目のダブルヘッダーが開催された。第1レースはタイトル争いに関わる全てのドライバーによる近接したバトルで始まった。ソパーがハーベイを引き連れBMWによる1-2が形成され、ホイとロウズのトヨタが続き、ボクスホールのクレランドとアラムがその後に続いた。ホイはハーベイをパスし、ドゥルーズのアウト側でソパーにアタックしたが、賢明ではない動きのため3位に戻った。ソパーはその後煙を上げハーベイのリードを許したが、ホイをブロックするために移動した。ソパーは最終的にリタイアを余儀なくされたが、ハーベイは後続に大きなギャップを保持し、第1レースの勝利を獲得した。ホイはクレランドとアラムを押さえて2位に入った。

ハーベイは第2レースではポールポジションからスタートし、第1レースよりも僅差でホイを押さえて勝利した。クレランドは3位であった。ドニントン・パークの第14ラウンドでは、ヴィク・リー・モータースポーツの二人がレースを支配した。ハーベイが優勝し、ソパーが2位と1-2を決めた。クレランドは再び3位に入った。シルバーストンでの最終戦に先立って、ハーベイとクレランドを隔てたのはたった1つのポイントであった。アラムはタイトル争いにとどまるための結果を出すことができなかった。しかしウィル・ホイにはまだタイトルを取る可能性があった。

最終戦の予選は予期せぬことに、サポートドライバーが上位を占めるトップヘビーとなった。アンディ・ロウズがポールポジションを獲得し、2番手がジェフ・アラム、3番手はトヨタのサードドライバーのジュリアン・ベイリー、4番手がスティーブ・ソパーだった。タイトル争いをするクレランド、ホイ、ハーベイはそれぞれ7番手、9番手、12番手からスタートする。ホイとハーベイは共に順調なスタートを切り、ホイは最初のラップでクレランドをパスした。4番手のソパーはボクスホールのレズリーと3位争いを繰り広げるが、両者は接触しソパーがスピンアウトした。ソパー車はロブ・グラヴェットによって押し戻され、ソパーはコースに最下位で復帰できたが、彼のBMWは後部に大きなダメージを受けていた。

その後、ホイ、ハーベイ、クレランドは、4位、5位、6位の順で追いついた。ソパーは7位まで追い上げたが、車のダメージを考えると信じられないほどのペースで走行したようだった。残り2周、ハーベイはコプセでホイにアタックし、2台はハーベイが内側のサイドバイサイドでコーナーを抜けた。コーナーの出口でハーベイは大きくドリフトし縁石に乗り上げ、ホイをグリーンに押し出した。これによってクレランドとソパーが二台の前に出る。今度はクレランドが4位(タイトルを獲得できる順位)、ソパー5位、ハーベイ6位、ホイ7位となる。その後すぐにソパーはクラブの入り口でクレランドをパスして4位となり、BMWの2台がクレランドを挟む形となった。アビーを走行するクレランドはボクスホールのオンボードカメラでソパーに指でサインを示しているのを見ることができた。

アビーを出るとクレランドはコースの左側に移動し、ブリッジのアウト側を通るために自車を立ち上げようとした。一方、ハーベイはアビーを抜けるとクレランドの右側に移動した。クレランドは防衛に移ったが、ハーベイはブリッジの中で彼をパスすることができた。ソパーはすぐに途中で飛び出し、ハーベイを4位に押し上げ、ハーベイの後ろに入ってクレランドに対して彼を守った。3台はテールツーノーズでプライオリーを通ったが、ブルックランズでクレランドは5位を狙ってソパーの内側に飛び込んだ。ソパーがドアを閉めたため2台は接触し、ボクスホールは2輪が持ち上がった。ブルックランズの出口でクレランドは車半分ソパーの前に出た。ルフィールドの入り口でソパーはコース外側の芝を使ってクレランドのインサイドに飛び込み、2台は再び接触してバリアに突っ込んだ。ソパーとクレランドは両者ともその場でリタイアを余儀なくされた。

残り1ラップでハーベイは4位を巡航、タイトルを確実なものとした、ホイは3秒遅れの5位であった。アンディ・ロウズはジェフ・アラムに0.1秒差で勝利し、3位のデイビッド・レズリーとは0.7秒差であった。

これはBTCCの歴史において最も議論の余地のある瞬間の一つであった。タイトルを奪われることとなったソパーの動きについてクレランドは、「The man is an animal!」とコメントした。ハーベイは152ポイントでタイトルを獲得し、2位のホイとは3ポイント差、3位のクレランドとは7ポイント差であった。ジェフ・アラムは137ポイントで4位、アンディ・ロウズは128ポイントで5位となった。

クレランドは11月1日にドニントンパークで行われたTOCA戦で勝利したため、それが幾ばくかの慰めとなった。このレースはキース・オドールがオールドヘアピンで激しくクラッシュし、彼の日産・プリメーラがコントロール不能になってフェンスに突っ込んだことで記憶される。クレランドはロブ・グラヴェット、デイビッド・レズリー、イアン・フラックスらを抑えて優勝し、賞金12000ポンドを獲得した。

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