Animated Portable Network Graphics
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Animated Portable Network Graphics(APNG)は、コンピュータ上で動画を扱うためのファイルフォーマットの1つである。PNGフォーマットを拡張して作られた。
概要
APNGフォーマットでは、最初のフレームが従来のPNGと同様の領域に格納される。そのため、APNGフォーマットに対応しないデコーダを搭載したソフトウェアでも、最初のフレームが静止画として表示される。フレームの速度情報や、2枚目以降のアニメーションフレームは、新たに拡張された領域に格納されるが、これらの領域はAPNG非対応のデコーダでは無視される。また、最初のフレームをアニメーションに利用するか設定できるため、非対応環境での代替表示用画像とすることも可能である。

PNGのアニメーションフォーマットには、MNGもある。しかし、MNGとAPNGとは密接に関係するものの、これらは別の形式である。APNGの利点は、「(開発者から見て)アニメーションGIFのPNG版」とも言える実装の容易さ、Firefoxといった主要ブラウザで正式サポートされている事である。仕様上1つのフレームを使い回すことができないためファイルサイズの面ではMNGと比べて有利ではない。
GIFと比べ、フレーム内でフルカラー画像が取り扱えるようになり、さらにアルファチャンネルを使って背景にとけ込むような表現が可能となった。フルカラー対応となった事でフレームごとに個別のパレット(ローカルパレット)を持つという概念が廃止され共通パレット(グローバルパレット)のみとなった。GIFはLZW圧縮を使っているが、APNGはPNGと同じく比較的圧縮効率の良いDeflate圧縮を使用しているため、アニメーションGIFをAPNGに変換すると多くの場合ファイルサイズを削減できる。
歴史
APNGのフォーマットは、2004年にMozilla Corporationのスチュアート・パーメンターとウラジーミルによって作成された。
2007年4月20日、PNGグループはAPNGを公式仕様に含めない事を決定した[2]。
ウェブブラウザの対応状況

- Firefoxでは、2008年6月17日リリースのバージョン3.0以降でサポートされている。
- Operaでは、2017年6月22日リリースのバージョン46以降でサポートされている。
- Safariでは、2014年10月16日リリースのバージョン8以降でサポートされている[3]。
- Google Chromeでは、2017年6月5日リリースのバージョン59以降でサポートされている。
- Chromiumは2017年3月15日にAPNGの表示に対応した[4]。
- Microsoft Edgeでは、2020年1月15日リリースのバージョン79以降でサポートされている。
脚注
関連項目
外部リンク
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