クロロベンジリデンマロノニトリル(2-chlorobenzylidenemalononitrile)とは催涙ガスの一種[6][7]で暴動鎮圧等に使用されている[8]。化合物名はクロロベンザルマロノニトリル(2-chlorobenzalmalononitrile)とも呼ばれる。1928年にアメリカ合衆国のベン・コーソン(Ben Corson) とロジャー・ストートン(Roger Staughton)によって開発された。開発者2人の姓の最初の文字を取って CSガスと命名された。
概要 クロロベンジリデンマロノニトリル, 識別情報 ...
クロロベンジリデンマロノニトリル |
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[(2-Chlorophenyl)methylidene]propanedinitrile |
別称 2-(2-Chlorobenzylidene)malononitrile 2-Chlorobenzalmalononitrile o-Chlorobenzylidene malononitrile Tear gas |
識別情報 |
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ChEMBL |
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ChemSpider |
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ECHA InfoCard |
100.018.435 |
EC番号 |
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IUPHAR/BPS |
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RTECS number |
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UNII |
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国連/北米番号 |
2810, 3276, 2811 |
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InChI=1S/C10H5ClN2/c11-10-4-2-1-3-9(10)5-8(6-12)7-13/h1-5H Key: JJNZXLAFIPKXIG-UHFFFAOYSA-N InChI=1/C10H5ClN2/c11-10-4-2-1-3-9(10)5-8(6-12)7-13/h1-5H Key: JJNZXLAFIPKXIG-UHFFFAOYAA
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特性 |
化学式 |
C10H5ClN2[1] |
モル質量 |
188.6 g/mol[2] |
外観 |
白色の結晶性粉末 燃焼すると無色の気体 |
匂い |
ペッパーのような[3] |
密度 |
1.04 g/cm3 |
融点 |
93℃ |
沸点 |
310℃ [4] |
水への溶解度 |
溶けない |
蒸気圧 |
3.4×10−5 mmHg at 20 °C |
危険性 |
GHS表示: |
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     |
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Danger |
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H302, H314, H330, H335, H372, H410 |
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P260, P261, P264, P270, P271, P273, P280, P284, P301+P312, P301+P330+P331, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310, P312, P314, P320, P321, P330, P363, P391, P403+P233, P405, P501 |
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) |
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致死量または濃度 (LD, LC) |
LCLo (最低致死濃度) |
- 1806 mg/m3 (ラット, 45 分)
- 2753 mg/m3 (マウス, 20 分)
- 1802 mg/m3 (ウサギ, 10 分)
- 2326 mg/m3 (モルモット, 10 分)[5]
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NIOSH(米国の健康曝露限度): |
PEL |
TWA 0.05 ppm (0.4 mg/m3)[3] |
REL |
C 0.05 ppm (0.4 mg/m3) [皮膚][3] |
IDLH |
2 mg/m3[3] |
関連する物質 |
関連物質 |
SDBS
5-クロロ-2-キノリンカルボニトリル 6-クロロ-2-キノリンカルボニトリル 7-クロロ-2-キノリンカルボニトリル |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
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散布時は、水溶液にしたものを噴霧する[8]。即効性があり、皮膚や眼、粘膜等から進入する[6]。灼熱感や結膜の充血、鼻汁、涙の流出等の症状が出るが、持久性は低い[6][8]。通常、暴露後、数分から数十分で回復するが、遅延性の紅斑が出現する場合があり、重篤になると数週間皮膚障害が残る可能性がある[8]。
加水分解しやすく、アルカリ存在下で分解が加速される為、石鹸等で洗うと無毒化できる。
ニトリルを含む為、一般向けには販売されていない。