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Deepdene (書体)

書体 ウィキペディアから

Deepdene (書体)
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Deepdene (ディープディーン) は、セリフ書体のひとつで、1927年から1933年にかけて、フレデリック・ガウディがデザインした[1]。セリフ・フォントのデザインとしては、いわゆる「オールド・フェイス」ないし「オールド・スタイル (old-style)」に属しており、ストロークと斜交軸 (an oblique axis) の違いはさほど強調されていない。しかし、ディープディーンは、縮れたように丸みを帯びたセリフと、このスタイルで通常見られるものよりも傾斜が少なく、ほとんど直立したイタリック体が特徴である[1]

概要 様式, デザイナー ...
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金属活字によるディープディーン。

アメリカ合衆国ランストン・モノタイプ・カンパニー英語版から発表されたディープディーンは、当初から人気を呼び、書籍の本文に用いられることもよくあった[2][3][4]。ディープディーンには、デジタル化されたフォントが数種類作られている。

ディープディーンという名は、マールボロ=オン=ハドソン英語版にあったガウディの自宅の名に由来している[3][5][6]。さらにこの家の名は、ガウディがかつてニューヨーククイーンズに住んでいた街路名に由来していた[7][8]

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デザイン

ガウディは、このデザインについて、「紹介されたばかりだったオランダの書体 (a Dutch type which had just been introduced)」に着想を得たと述べている。ガウディの友人であったポール・ベネット英語版の晩年の示唆によれば、これはヤン・ファン・クリンペン英語版が作ったルテティア (Lutetia) のことを指しているようだが、ウォルター・トレイシー英語版はそのような比定に確証はないと述べている[9]。ガウディはその後、中程度の字の太さをもったボールド体とボールド・イタリック体も制作した[1]

ガウディの伝記を書いたD・J・R・ブルックナーは、このデザインを「この書体は、ガウディの特徴のほとんどを盛り込んだ、最良のもの」だと賞賛した[3]

後にガウディは、ディープディーン・テキスト (Deepdene Text) をもとにしたディープディーン・オープン・テキスト (Deepdene Text) というブラックレターのデザインも生み出した[10]。これらのデザインは、作者が同じという以上の関連性はもっていない[1]

実際に活字が鋳造された書体には、以下がある。

  • ディープディーン (Deepdene) - 1927年コンチネンタル英語版が製作し、後にランストン・モノタイプが再製作した。再作成に際しては、文字の幅について制限を設けていたモノタイプの鉛活字鋳造英語版に適合するように、若干の変更が加えられた。
  • ディープディーン・イタリック (Deepdene Italic) - 1929年ガウディの妻バーサ (Bertha) が母型 (matrices) を製作した。
    • ディープディーン・ミディアム (Deepdene Medium) - 1931年ランストン・モノタイプのためにデザインされたが、実際には鋳造されなかったものと思われている。
  • ディープディーン・ボールド (Deepdene Bold)、ディープディーン・ボールド・イタリック (Bold Italic) - 1933年ないし1934年ころ、ランストン・モノタイプ
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デジタル化

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大文字や、小文字の 'g'、'k'、'z' の基線より下に、縮れたように丸み (swash) があるオープンソースのフォント「リンデン・ヒル」は、ガウディのディープディーンを基にバリー・シュワルツが作った書体。

ディープディーンは、いくつかの組織やソフトウェア会社によってデジタル化され、リリースされている。P22 によるデジタル化は、同社のLTC印刷 (LTC imprint) 用に作られたものであり、イタリック体に縮れたように丸み(スウォッシュ英語版)とスモールキャピタルが用意されている点は、おそらく他に例がない[11]オープンソースの「リーグ・オブ・ムーバブル・タイプ (League of Movable Type)」プロジェクトは、バリー・シュワルツ (Barry Schwartz) が作成したオープンソースのデジタル化「リンデン・ヒル (Linden Hill)」をリリースしており、通常の書体とイタリック体にはスウォッシュが付けられているが、太字は施されていない[12]

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脚注

外部リンク

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