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Google マップ
地図閲覧サービス ウィキペディアから
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Google マップ(グーグル マップ、英語: Google Maps)とは、Googleが提供するウェブマッピングプラットフォームであり、コンシューマー向けの地図アプリケーションである。
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解説
要約
視点
このサービスは、衛星写真、航空写真、詳細なストリートマップ、道路の360°のインタラクティブパノラマビュー(Google ストリートビュー)、リアルタイム交通状況、さらに徒歩、車、公共交通機関、自転車、飛行機(ベータ版)による移動のルート検索など、多岐にわたる地理情報機能を提供している。2020年現在[update]、Google マップは毎月、世界中の10億人以上のユーザーに利用されている[1]。
Google マップは初め、Where 2 Technologiesという会社でLarsとJens Rasmussen兄弟により、C++のデスクトッププログラムとして開発が始まった。2004年10月、会社はGoogleに買収され、ウェブアプリケーションに書き換えられた。複数の地理空間データのビジュアライゼーション企業とリアルタイム交通分析の企業の追加の買収を経て、Google マップは2005年2月に公開された[2]。サービスのフロントエンドでは、JavaScript、XML、Ajaxを利用している。Google マップはAPIを提供しており、これを利用することで、サードパーティのウェブサイトに地図を埋め込むことができ[3]、また、世界中の多数の国のビジネスやその他の組織向けに場所検索のためのロケーターを提供している。Google Map Makerを利用すると、ユーザーは協力してサービスの世界中のマップを拡張・更新することができたが、このサービスは2017年3月に終了した。しかし、クラウドソーシングによるGoogle マップへのコントリビューションの機能は終了せず、Google ローカルガイドプログラムに移行されることが発表された[4]
Google マップの航空写真ビューは、真上からのビューと鳥瞰図を選択できる。最も高解像度の都市の写真は、800 - 1,500フィート (240 - 460 m)から撮影された航空写真であるが、それ以外のほとんどの画像は人工衛星から撮影されたものである[5]。利用可能な衛星写真の多くは古くても3年以内のものであり、定期的に更新されている[6]。Google マップは以前はメルカトル図法の変種を利用していたため、両極地域(北極圏と南極圏)は正確に表示することができなかった[7]。2018年8月、デスクトップバージョンのGoogle マップが更新され、3Dの地球が表示できるようになった(Globeビュー)。まだ2Dマップに設定で戻すことは可能である。航空写真モードは、Earthモードと言われる3Dマップ表示を併用または切替可能であり、視点の傾斜や回転ができる。対応地域であれば地形や建物、道路などを3D立体表示できる[8]。
店舗や施設を検索するGoogle プレイス(Google マイビジネスとも連動)や[9]、ルート検索機能などを提供している[10]。
AndroidおよびiOSデバイス向けのGoogle マップは2008年9月にリリースされ、GPSを利用したターンバイターンのナビゲーションと駐車アシスタントの機能が追加された。
2013年8月、世界で最も人気のあるスマートフォンアプリとなり、世界中のスマートフォン所有者の54%以上が利用していた[11]。
2017年5月、Androidアプリの利用者は、YouTube、Google Chrome、Gmail、Google 検索、Google Playなどの他のいくつかのGoogleサービスに加えて、20億ユーザーに到達したことが報告された[12]。
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沿革と主要機能追加(最近の出来事を含む)
要約
視点
2000年代の開始と主要機能追加
Google マップは初め、デンマーク人の兄弟Lars Rasmussen と Jens Rasmussenがオーストラリアのシドニーに設立した企業 Where 2 Technologies によって開発された。元々はC++言語で記述されたダウンロード型のソフトウェアだった。Google が Where 2 Technologies を買収したことで、二人のチームが Webベースのサービスとして再開発したものが Google マップになった[13]。
2010年代の拡大と変革
- 2011年12月10日: 日本を含む一部の国で、リアルタイムの渋滞情報表示サービスが開始された[17]。
- 2013年6月: コミュニティ主導型ナビゲーションアプリ「Waze」を買収。同年8月にはWazeのリアルタイム道路情報(事故、工事、警察の存在など)をGoogle マップアプリで表示する機能が追加された[18][19]。
- 2013年1月29日: 地図作成ツール「Google マップメーカー」を通じて作成された北朝鮮の詳細地図がGoogle マップに追加された[20]。
- 2014年2月20日: 「新しいGoogle マップ」としてリニューアル。UIを刷新し、3DマップやEarthビュー表示に対応。3D建物は航空写真の自動生成技術により大幅に効率化された[21]。
- 2019年3月: 日本国内の地図データがゼンリン提供からGoogle独自のデータに差し替えられたとみられ、地図画面から「ZENRIN」の社名表示が消えた[22]。
2020年代以降の最新機能と出来事
- 2020年2月: サービス開始15周年を記念し、新しいロゴマーク(ピンの形)が導入された[23]。
- 2021年10月: CO2排出量が少ないルートを提案する「環境配慮ルート」機能が米国で導入され、順次世界各地に展開された。これにより、ユーザーは燃費効率の良い移動経路を選択できるようになった[24]。
- 2022年: ARを活用した歩行ナビ機能「ライブビュー」が大幅に強化。カメラをかざすだけで、周辺のランドマークや店舗情報(営業時間、レビューなど)をARで重ねて表示できる機能が追加された[25]。
- 2022年以降: 複数の画像とAI技術を統合し、超リアルな3Dで都市を仮想体験できる「Immersive View (イマーシブビュー)」機能が一部都市で導入された。これにより、天候や時間帯をシミュレートしながら、特定の場所を詳細に確認できるようになった[26]。
- 2024年: ユーザーの移動履歴を記録する「タイムライン」機能について、プライバシー保護の観点から、ウェブ版での利用を廃止し、データを個々のデバイス(スマートフォン)にのみ保存する仕様へ移行した[27]。
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特徴
要約
視点
表示モード
基本的なマップ表示モード(レイヤ)として、地図、航空写真、地形の3つがある。「航空写真」モードにおいて、海水面下の海底地形が模擬モデルとして表示される。「地形」モードにおいて、同様に等高線データにより、山地や平地が模擬モデルとして表示される。
【最新機能】
- Immersive View (イマーシブビュー): 超高解像度の3Dモデルにより場所を仮想体験できる機能が一部都市で利用可能になった。
- Globeビュー (3D地球表示): デスクトップ版では、メルカトル図法ではなく地球儀のように見える3D表示に切り替えが可能。
さらに、鉄道の「路線図」、「自転車」の移動軌跡などをオプションのレイヤとして表示できる。「自転車」は、主に欧米の主要都市に提供されていたが、現在は日本でも一部地域でサポートされている。
ルート検索と移動オプション
詳細は「Google マップナビ参照。」
目的地までの最適経路を、自動車、公共交通機関(鉄道・バスなど)、自転車、徒歩の各移動モード別に検索提示できる。
- 自動車ルート: 渋滞状況に適応した最適ルート検索や、有料道路、高速道路の使用可否を指定できる。
- 公共交通機関: 乗換駅、通過駅や運行ダイヤ、料金の表示まで対応し、徒歩込みでの最適なルート検索ができる。
- 環境配慮ルート: 2021年以降に導入された機能で、二酸化炭素排出量が少ないルートを優先的に提案する。
- ルート編集: ルート検索後、ユーザーは経由地をドラッグ&ドロップで追加・変更し、ルートを手動で編集することが可能である。
スポット情報(Google プレイス連携)
各種施設、公園、史跡その他の地点データは、WEBサイト、施設情報、写真等のメディア、ユーザーのレビュー等を記入でき、各ユーザーでお気に入り等のマークを付けられる。これらのデータは一部がGoogle+とも連動していたが、Google+は2019年に終了している。Google マイビジネスと連動し、店舗オーナーは営業時間や最新情報を管理できる。
交通状況、マップナビなど
パソコン(PC)などによる固定利用(位置情報を備えない端末)でのGoogleマップ利用時も、交通状況や経路案内(マップナビ)など、モバイル版から提供されるデータを共通利用できる。交通情報は、匿名化されたユーザーの移動速度データを基にリアルタイムで更新される。
タイムライン(移動履歴)
GPS/GNSSやWi-Fiビーコン信号を受信して、移動履歴や訪問した店舗などユーザーの行動を常時記録する。 【最新の変更】2024年以降、この移動履歴データはプライバシー保護のため、ウェブ版での閲覧は廃止され、スマートフォンなどのデバイス上のみに保存・閲覧可能となった[28]。
インドアマップ
一部の大型施設(空港、ショッピングモール、博物館など)の屋内地図情報を提供しており、建物内でのナビゲーションを可能にする機能。対応施設は順次拡大されている。
地図データと地名表記
Google マップが使用する地図データは、Googleと、各国の地図情報提供会社(日本ではNTTインフラネットなど)との契約に基づいている。この地図データには、道路、建物、河川、湖、境界線などが含まれる。
地名の表記については、主に各国・地域の公的な表記に従うよう努めているが、ユーザーからの編集提案や、GoogleのAIによる処理結果が反映されることもある。
地図の境界線の表示については、国際的に論争のある地域では、関係各国の主張を反映した形で表示が異なる場合がある[29]。例えば、クリミア半島は、見る場所によってロシアとウクライナのどちらの境界線で示されるかが変わる。
ストリートビュー
詳細は「Google ストリートビュー」を参照
Google ストリートビューは、Google マップの機能の1つで、道路沿いのパノラマ写真を提供する。サービス対象の国・地域では、ほとんどの道路で360度見渡せる写真が表示される。
この機能は、ストリートビュー撮影用の特殊なカメラとGPSを搭載した車両(ストリートビューカー)で撮影された画像を、AI技術でつなぎ合わせて作成されている。山間部や観光地など車両が入れない場所は、三脚付きカメラや専用のバックパックカメラ(トレッカー)などを使って撮影される。
プライバシー保護のため、人物の顔や車のナンバープレートは、自動的にぼかし処理が施される[30]。
デスクトップ版のシステム要件と更新履歴
Google マップのウェブ版は、主要なウェブブラウザ(Chrome、Firefox、Safari、Edgeなど)の最新バージョンで動作する。基本的な表示には高性能なハードウェアは不要だが、3D表示の「Earthビュー」(Globeビュー)を利用する際は、高性能なグラフィックボードと十分なメインメモリが必要となる。
2010年代以降、Google マップは頻繁にアップデートされており、UIの刷新や機能の追加が継続的に行われている。
2018年8月には、デスクトップ版で従来のメルカトル図法に基づく2Dマップから、地球儀のような3D表示(Globeビュー)に切り替える機能が導入された[31]。
モバイル Google マップ
要約
視点
モバイル Googleマップとは、モバイル端末向けのGoogleマップである。Android端末とiOS端末でアプリとして使用できる。
概ねデスクトップ版(WEB版)と同等機能の利用が可能。ただし、Google Earthモード(3Dマップ表示)は、端末によってはスペック不足となる[注 1]。
さらにモバイル版の特徴として、カーナビ等のリアルタイムナビゲーション機能(Google マップナビ)が搭載されている。またGoogle Nowとの連携、音声での検索、店舗や施設を検索して直接電話をかける機能がある。
位置情報は、GPS/GNSSに加えて無線LANのビーコン信号からの取得に対応しているため、GPS等が使えない環境でもWi-Fiの電波があれば位置情報を表示できる。ただし、位置情報の精度は低くなる[33]。Android 4.3以降であれば、Wi-Fiをオフにしていても無線LANのビーコン信号のみを受信する機能を持つため、Wi-Fiを切っていても、リアルタイムに位置情報取得が可能になっている[34]。
Android One用として機能を絞ることで低速回線や低スペックの端末でも軽快に動作する「Google マップ Go (Maps Go)」が開発された。2018年からAndroid端末[注 2]ほかにも提供されるようになっている[35]。
交通状況
リアルタイム交通情報は、Google マップの主要機能の一つである。これは、ユーザーの移動速度に関する匿名データを収集し、これを地図上に色付きでオーバーレイ表示することで、交通渋滞の状況を視覚的に示す。緑色はスムーズな流れ、赤色は渋滞を示し、ユーザーはルートを選択する際の判断材料にできる。
Google マップナビ
カーナビゲーション、乗換ナビゲーション、徒歩ナビゲーションなどの統合ナビゲーション機能としてGoogleマップナビが搭載されており、これらの機器あるいはサービスの代替として使用できる。
目的地までの最適経路を、自動車、公共交通機関(鉄道・バスなど)、自転車[注 3]、徒歩の各移動モード別に検索提示できる。自動車では渋滞状況(前述)に適応した最適ルート検索や、有料道路、高速道路の使用可否指定が可能。さらに、CO2排出量を考慮した「環境配慮ルート」の選択が可能となっている。 公共交通機関では、乗換駅、通過駅や運行ダイヤ、料金の表示まで対応し、さらに徒歩込みでの最適ルート検索が可能。いずれの移動モードでも、一般のナビゲーションシステムと同様に端末の移動に応じて現在地や最適経路が随時更新される。
自動車モードでは、目的地までの経路上の混雑状況に応じた通過速度を計算し、目的地までの最適移動経路をユーザーにナビゲーションする。
自動車(ナビ)モードでは安全運転の支障とならないよう、進行方向に向いて3D回転し、かつ細かい道路や情報が省略されたシンプルなマップ表示となり、併せて音声での案内提供が可能である。これに加えて目的地までの時間、距離、次に曲がる交差点名など必要最低限のみの情報が太字で表示され、また基本的な右左折直進指示の音声による案内提供が可能。
多くの国で自動車ナビモードが利用可能である。2014年時点、日本、台湾、香港、オーストラリア、米国、英国など、全部で99の国と地域で利用できる[36]。
ARモード(ライブビュー)
Googleの歩行ナビモードでは、一部ユーザー向けに拡張現実(AR)モードが試験導入されている。このモードではカメラが起動し、周りの風景にカメラを向けると、Googleの人工知能システムを用いて建物やランドマークを読み取り、道路上に行き先への矢印と目的地をARで表示する。 【最新機能】2022年以降は、さらに強化され、カメラをかざすだけでランドマーク情報(営業時間やレビューなど)を重ねて表示できるようになった(ライブビュー)[37]。
タイムライン(移動履歴)
タイムライン機能は、スマートフォンのGPS等やWi-Fiビーコン信号などを定期的に読み込み、ユーザーの移動履歴を常時記録する。数年前の移動履歴も遡ることができ、店舗の訪問日時、滞在時間、交通手段、そこで撮影した写真などあらゆる情報が記録される。Googleアカウントと連携してPC側からでも履歴を閲覧できていたが、 【最新の変更】セキュリティの観点より2024年以降デバイス上のみ閲覧可能となった[38][39]。
更新履歴
モバイル版Google マップの更新は頻繁に行われており、主に機能の追加、UIの改善、バグの修正が中心となっている。
主要なアップデートとしては、ナビゲーション機能の強化、オフラインマップ機能の追加、Wazeとの統合によるリアルタイム道路情報の充実、そして2020年代に入ってからのライブビューや環境配慮ルートの導入などが挙げられる。
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その他の機能
マイマップ
Google マイマップは、ユーザーが独自の地図を作成し、地点、線、多角形などの情報を追加して保存・共有できる機能である。旅行計画やビジネス用途など、パーソナライズされた地図を作成するために利用される。
オフラインマップ
限られた地域であるがインターネット環境が利用不可能な時にオフライン環境でも地図が確認できる。ユーザーは事前にWi-Fi環境などで必要なエリアの地図データをダウンロードしておくことで、通信が不安定な場所や海外などで利用可能となる。
Google Mapplets(廃止済み機能)
2007年7月11日、Googleマップ上にレイヤーを追加するツールとして「Google Mapplet(グーグル マップレット)」が公開された[40]。この機能は2010年代に廃止された。
脚注
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