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MRIインターナショナル、英文名(MRI INTERNATIONAL,INC.)は、アメリカネバダ州ラスベガス郊外に本社を置く[1](資産運用の実態は不明だが定義上)資産運用会社である[2]。金融商品取引業者関東財務局長(金商)第1881号(金融庁により取消処分)。預かった資産1300億円以上のほとんどが消失されたとされ、約8000人の被害者を出す巨額詐欺事件を起こした。
略称 | MRI |
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本社所在地 |
アメリカ合衆国 89113 5330 South Durango Drive Las Vegas, Nevada |
本店所在地 |
89113 5330 South Durango Drive Las Vegas, Nevada |
設立 | 1998年7月 |
事業内容 | 診療報酬請求債権を利用したファンド運用 |
代表者 | President エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ |
資本金 | 2億851万8316US$ (MRI社公表値) |
従業員数 | 300(MRI社公表値) |
主要株主 | エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ |
外部リンク | http://www.mrifunding.com/ |
特記事項:エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ |
1998年7月設立。アメリカの医療機関が保険会社に診療報酬を請求する権利(診療報酬請求債権)などを買い取って回収する「MARS投資」というファクタリング事業で運用しているとし、元本確保型(注:元本保証ではない)で運用額に応じて年利6.0 - 8.5%での運用が可能であると宣伝していた[3]。
アメリカに本社があり資産の運用を行っており、日本には支店登記はされているものの日本法人は存在せず、単に顧客サービスセンターがあるだけで金融庁にも米国法人として第二種金融事業者として登録されていた。運用資金のほとんどを日本だけで集めており[4]約8700人の顧客から約1365億円の投資を受けていると公表していた[5]。複数の日本の経済雑誌に広告を掲載し、サントリーホールで東京交響楽団による東日本大震災支援をうたうハートフルコンサートを開催するなど、社会的信用を高める取組をしながら、安定的な投資先であることを宣伝していた[2]。2011年以降は、顧客情報誌『VIMO』(Valuable Information for MRI Member Only」の略で「貴重な情報をメンバーの皆様だけに」との意味)の表紙を日本の各界の著名人(宇宙飛行士の毛利衛、雅楽家の東儀秀樹、登山家の野口健、女優の草刈民代、歌舞伎役者の市川染五郎)が飾り、インタビュー記事が掲載されるようになっていた[5]。
2013年4月25日、日本国内の顧客から預かった資産約1300億円を運用せず、関東財務局にも嘘の事業報告書を提出していた疑いがあることが報道された[6]。少なくとも2011年以降は、アメリカにおける金融商品による運用は行われている状況ではなく、運用実態のないまま集めた資金は、経営難に陥ったアメリカの医療関係施設への融資や[1]、一部の日本の顧客への配当や償還金に充当したと報じられた[2]。26日には、証券取引等監視委員会は、同社が顧客から集めた資金を他の顧客への配当金・償還金の支払いに流用したり、虚偽の事業報告書を提出するなど金融商品取引法に違反したとして、行政処分するよう金融庁に勧告したと発表した[7]。詐欺事件としての報道が進むにつれて社長であるフジナガ社長がギャンブルに充てたり、プライベートジェットでの私的旅行に使ったりしていた事が報道されるようになった。証券取引等監視委員会によると、MRIインターナショナルは日本語のウェブサイトでは「資本金2億851万ドル」と公表し、同様に関東財務局に提出していた事業報告書にも「資本金181億円」と記載していたが、アメリカでは資本金ゼロの赤字企業として税務申告されていた[8]。
事業報告書を提出されたのは2008年12月期から5年分で、2011年12月期に32億円あるとしていた現預金が2012年12月期は563万円と急減する一方、2011年12月期にゼロだった長期貸付金は翌年2012年に84億円、短期貸付金も約26億円急増していたほか、事業報告書に記された従業員給料は1人当たり平均年間30万円程度しか払っていない程度の額が記載されるなどしていた。これを証券取引等監視委員会は「ずさんな内容で、ほとんど虚偽」としているが、ずさんと酷評した事業報告書を提出開始からの5年間見抜けなかったことに対する関東財務局に対する批判の声もあがっている。また金融庁が第二種金融商品取引業の取り消しを行ったことで、同社は金融庁の管轄である更生特例法に基づいて破産申し立てを行う対象の事業者ではなくなってしまい、金融庁の更生特例法を使用した財産の保全手続を進められなくなったほか、利息を受け取っていないにもかかわらず顧客がみなし納税を行った所得税及び住民税の過去のみなし納税の還付についての手続きも難航する事態となってしまった。税務署にはみなし税の還付申請を受け付けない通達が出ており、それを見せられた被害者である元投資家も泣き寝入りの状態となっていた。 また被害の拡大を防ぐことを優先した金融庁と顧客の被害回収のための法的手続きとのギャップがある現在の法制度を問題視する声も上がっている[9]。
一方で日本支店の幹部や親族がMRIインターナショナルの金融商品に100万ドル(約9800万円)以上を投資し、日本支店の従業員らの多くも投資していたことがわかっており、日本支店幹部らでさえ資産運用の実態を知らずに自社商品に投資していたとみられ、不正な会計は米国本社社長であるエドウィン・ヨシヒロ・フジナガが主導していた疑いが強い[10]。
2013年5月には山口広を団長とする被害弁護団が結成され、エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長を詐欺罪で刑事告訴する方針が表明された[11]。2015年7月には米司法当局は日本人数千人から不正に出資を募ったとしてエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ被告らを詐欺罪などで起訴した。(米国法においては日本国内法での「詐欺罪」との成立要件が違い、日本国内での「詐欺罪」ではない)
2019年5月23日、ラスベガスの連邦地裁は、有罪の評決を受けた社長エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ被告に対し、求刑通り懲役50年の判決を言い渡した[12]。
2023年11月8日、被害者の弁護団は、連邦地裁がアメリカ証券取引委員会が回収した資産約48億円について、配当許可決定を出したことを明らかにした。2024年6月以降、日本の被害者に順次送金される[13]。
しかし公開されている裁判資料では裁判の棄却をせずに裁判を開始する旨の趣旨であるとの指摘もあり誤報という声も上がっている。
MRI INTERNATIONAL,INC.米国本社の日本人顧客ツアー担当。
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