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Myb
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Mybは、動物や植物に存在する転写因子のファミリーである。ヒトでは、MYBに加えてMYBL1、MYBL2が存在する[5][6]。さらに拡張したファミリーであるSANT/Mybファミリーには、SANTドメインや、他の類似した全てヘリックスから構成されるホメオボックス様ドメインを有するタンパク質が含まれる。
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機能
ウイルス
Mybファミリーの名称は、トリ骨髄芽球症ウイルス(Avian myeloblastosis virus)に存在する遺伝子名に由来する。ウイルス性のMyb(v-Myb)[7]は、5'-(C/T)AAC(G/T)G-3'配列を認識する。その名称が示す通り、このウイルスはニワトリにおいて骨髄芽球症(骨髄性白血病)の原因となる[8]。正常な動物の細胞性のMyb(c-Myb)と比較して、v-MybではC末端の調節ドメインに欠失が生じており、その結果他のがん遺伝子の異常な活性化が引き起こされる[9]。
動物
動物のMybタンパク質は、N末端のDNA結合ドメイン、中央部の転写活性化ドメイン、そして転写抑制に関与するC末端ドメインから構成される。Mybは細胞周期の調節に関与している可能性がある。MYB遺伝子はがん原遺伝子であり、他の遺伝子との組換え(多くの場合C末端ドメインの欠失を伴う)によってがんが引き起こされる場合がある[9]。
植物
植物においても、保存されたMyb DNA結合ドメインを有するMybファミリーが存在する。植物は、R2R3型と呼ばれるタイプのMybドメインによって特徴づけられるMybファミリーを有する[10]。
トウモロコシでは、赤色色素であるフロバフェンはフラボノイド合成経路によるフラバン-4-オールの重合によって合成される[11][12][13]。トウモロコシのp1遺伝子はR2R3型Myb転写因子をコードしており、フロバフェン生合成に必要なジヒドロフラボノールレダクターゼ(ジヒドロフラバノノールをフラバン-4-オールへ還元する)をコードするa1遺伝子などを活性化することが知られている[14]。P1が認識するのはCC(T/A)ACC配列であり、脊椎動物のMybが(C/T)AACGG配列を認識するのとは対照的である[15]。
ソルガムではy1遺伝子がトウモロコシp1遺伝子のホモログであり、R2R3型Myb転写因子をコードしている[16]。このタンパク質は、フラバン-4-オールの生合成に必要なカルコンシンターゼ、カルコンイソメラーゼ、ジヒドロフラボノールレダクターゼ遺伝子の発現を調節している[17]。
柑橘類においては、Rubyがアントシアニン産生に必要な遺伝子の活性化を担うMyb転写因子である。大部分の品種ではRubyは機能していないが、ブラッドオレンジにおいてはRubyによってアントシアニン産生がアップレギュレーションされ、特徴的な赤色の果肉が生み出されている[18]。
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出典
関連文献
外部リンク
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