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Nkx2.5
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Nkx2.5またはNkx2-5(NK-2 transcription factor related, locus 5)はホメオボックス配列を持ち、NK-2ファミリーに属する転写因子の1つで、心臓の発生に大きく関わっている。Csx(cardiac-specific homeobox)とも呼ばれる。発生初期の心筋前駆細胞に発現するとともに、出生後から成体に至るまで心筋細胞に発現が認められる。NK-2ファミリーの転写因子はショウジョウバエの背側管(dorsal vessel)の発生に関わるtinmanと相同性がある。
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配列と構造

Nkx2.5は主としてTN(tinman)ドメイン、ホメオドメイン(ホメオボックス)、NK2(NK-2-SD)ドメインの3つのドメインから構成される。TNドメインは10アミノ酸残基の長さで、他のタンパク質との相互作用に利用されるとされる。ホメオドメインは60アミノ酸残基の長さがありヘリックス・ターン・ヘリックス構造を有するDNAへの結合部位である。NK2ドメインはtinmanにはないドメインで、これも他のタンパク質との相互作用に役立つと考えられている。
誘導
Nkx2.5は心原基(cardiac crescent)の形成期にBMP(下流の転写因子はSmad)やGATA、FGFなどによって誘導されることが知られる。実際の心臓の発生では側板中胚葉の細胞が隣接する内胚葉からBMP2、FGFなどの傍分泌を受けて、Nkx2.5やGata4を発現する心筋前駆細胞へと分化する。一方で、Nkx2.5はSmadに働きかけてフィードバック的にBMPシグナルを抑制することで心筋細胞の数を制限している[5]。Nkx2.5はGata4と同様、心房や心室に均一に発現する。Nkx2.5は他の転写因子とヘテロ二量体を形成することが出来る。例えば心房性ナトリウム利尿ペプチドをコードするANF遺伝子はNkx2.5とGata4の二量体によって活性化され[6]、Nkx2.5とTbx2の二量体によって抑制される[7]。
参考文献
- 山岸 敬幸、白石 公、先天性心疾患を理解するための臨床心臓発生学 ISBN 978-4-7583-0148-0
- Heather Bartlett, Gert Jan C. Veenstra, Daniel L. Weeks, Examining Cardiac NK-2 Genes in Early Heart Development.Pediatr Cardiol. 2010 Apr;31(3):335-41. Epub 2009 Dec 5.PMID 19967350
出典
外部リンク
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