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PB Mk III型哨戒艇

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PB Mk III型哨戒艇
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PB Mk III型哨戒艇英語: PB Mark III class)は、アメリカ合衆国海軍哨戒艇の艦級[1]スペクター型[3]Mk III シー・スペクター型[4]と表記されることもある。内水用の多目的哨戒艇で、1970年代に80隻余りが建造され、輸出も行われた[1][5]。アメリカ海軍からはすでに退役しているが、2024年時点でも数か国の海軍または沿岸警備隊で現役である[6]

概要 基本情報, 艦種 ...
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設計

商用漁船の設計をベースにした内水用多目的哨戒艇で、アルミニウム合金製の船体を持つ[1][4]。設計上の特徴として、操舵室を右舷寄りにずらして配置することで左舷側に甲板スペースを広くとっており、この部分に20mm機関砲などを搭載できるようになっていた[1][2][4]。エンジンにはデトロイト・アリソン(後にゼネラルモータースの一部門)製の8V71TIディーゼルエンジンを3基搭載しており、最大速力は30ノットとされるが、前部に重量のある40mm機関砲を搭載した場合だと20ノット強程度まで低下したという[2][4]。艇の耐用年数は15年であった[4]

武装

武装は任務に応じて変更可能である[1]。アメリカ海軍での装備パターンとしてはボフォース 40mm機関砲1基と20mm機関砲1基(さらにオプションで20mm機関砲1基または12.7mm重機関銃2基)を装備した例[4]や、25mm機関砲2基と 12.7mm重機関銃2基、81mm迫撃砲1基、40mm自動擲弾銃1基を装備した例[1]がある。また、対空ミサイルを装備した例[1]や、ペンギンMk2対艦ミサイルを試験搭載した例[2]も存在する。輸出艇の場合、機関銃程度の軽武装のものもあった[5]

運用国

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

アメリカ海軍ではPCF型哨戒艇英語版(スイフト・ボート)の後継として、1975年から就役した[2][4]。1985年の時点で、すでに沿岸哨戒・阻止任務用としては火力不足で旧式と評されていたが[4]、1995年時点でも14隻が現役であった[1]。退役済み[7]

アルバニアの旗 アルバニア

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アルバニア艇
1989年2月にアメリカから供与された[8]。2024年時点で、アルバニア沿岸警備隊が3隻を保有[9]

 コロンビア

アメリカから供与され、1989年12月と1990年2月に再就役した[10]。2024年時点で、コロンビア沿岸警備隊が2隻を保有[11]

 エジプト

1980年から1981年にかけて購入した[12]。2024年時点で、エジプト沿岸警備隊が12隻を保有[13]

ガーナの旗 ガーナ

2001年に引き渡された[14]。2024年時点で、ガーナ海軍が1隻を保有[15]

イランの旗 イラン

イラン海軍は1975年から1976年にかけて20隻を購入した[16][17]。これらはアメリカ海軍の艇よりも軽武装で、当初は12.7mm重機関銃3基を装備し、1990年代に前方の1基を20mm機関砲に換装したという[16][17]。1980年代のイラン・イラク戦争では6隻が戦没し、ほかに3隻がスクラップとなったが、11隻が戦後も残存していた[16][17]。2024年時点で10隻を保有[18]

脚注

参考文献

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