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TOPS-10

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TOPS-10は1967年にディジタル・イクイップメント・コーポレーション (DEC) がメインフレームPDP-10シリーズ向けにリリースした歴史上のオペレーティングシステム(OS)。TOPS-10を搭載したPDP-10システムは "DECsystem-10"と呼ばれた。"TOPS" は Timesharing / Total OPerating System の略。元々はPDP-6およびPDP-10の初期のOSだった "Monitor" が発展したもので、1970年にTOPS-10へ改名された。

概要 開発者, プログラミング言語 ...
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概要

要約
視点

TOPS-10は共有メモリをサポートしており、世界で初めて真のマルチプレイヤーを実現したゲームの1つが開発された。DECWAR英語版[2]はテキストベースのスタートレックのようなゲームで、ユーザーは端末からコマンドを打ち込み、リアルタイムで対戦できた。またTOPS-10は今日ではMMORPGと呼ばれるオンラインロールプレイングゲームの先駆けであるMulti User Dungeon(MUD)のオリジナルを運用するのに用いられた。

他の特筆すべきアプリケーションとして FORUM がある。現在ではチャットと言われるユーザー同士の会話ができるアプリケーションであり、いわゆる「CBシミュレータ」の先駆けでだった。このアプリケーションは複数のユーザーによる対話の可能性を示したもので、CompuServeのチャットが開発される要因のひとつとなった。

TOPS-10のAPIは非常に頑強であり、UUO(Unimplemented User Operation; 未実装ユーザー命令)を利用した機構を使っている。UUOによりシステムコール機械語の命令の1つであるように実装された。このAPIはモニターコールと呼ばれ、当時としてはほとんどのOSより大きく進んでおり、DECsystem-10のシステムプログラミングを単純かつ強力なものにした。

TOPS-10はプライオリティが付いた複数のキューで構成されるスケジューラを備えており、多段フィードバックキューの原始的なもので、プライオリティに基づいてプロセスをキューに挿入できた。またこのOSではユーザーファイルとデバイスが独立していた。

コマンド

下記のリストはTOPS-10がサポートしているコマンドの一覧である[3]

  • ASSIGN
  • ATTACH
  • BACKSPACE
  • BACKUP
  • CCONTINUE
  • COMPILE
  • CONTINUE
  • COPY
  • CORE
  • CPUNCH
  • CREATE
  • CREDIR
  • CREF
  • CSTART
  • D(eposit)
  • DAYTIME
  • DCORE
  • DDT
  • DEASSIGN
  • DEBUG
  • DELETE
  • DETACH
  • DIRECTORY
  • DISABLE
  • DISMOUNT
  • DSK
  • DUMP
  • E(xamine)
  • EDIT
  • ENABLE
  • EOF
  • EXECUTE
  • FILCOM
  • FILE
  • FINISH
  • FUDGE
  • GET
  • GLOB
  • HALT
  • HELP
  • INITIA
  • JCONTINUE
  • KJOB
  • LABEL
  • LIST
  • LOAD
  • LOCATE
  • LOGIN
  • MAKE
  • MERGE
  • MIC
  • MOUNT
  • NETWORK
  • NODE
  • NSAVE
  • NSSAVE
  • OPSER
  • PJOB
  • PLEASE
  • PLOT
  • PRESERVE
  • PRINT
  • PROTECT
  • PUNCH
  • QUEUE
  • QUOLST
  • R
  • REASSIGN
  • REATTACH
  • REENTER
  • RENAME
  • RESOURCES
  • REWIND
  • RUN
  • SAVE
  • SSAVE
  • SCHED
  • SEND
  • SET
  • SKIP
  • START
  • SUBMIT
  • SYSTAT
  • TECO
  • TIME
  • TPUNCH
  • TYPE
  • UNLOAD
  • USESTAT
  • VERSION
  • WHERE
  • ZERO
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歴史

リリース履歴

PDP-6のMonitorは1964年にリリースされた。1967年のリリース2.18でPDP-10のKA10プロセッサをサポートした。1970年のリリース5.01からTOPS-10に改称された。リリース6.01(1974年5月)で初めて仮想記憶デマンドページング)を実装し、物理メモリ容量より大きなプログラムを実行できるようになった。リリース7.00から対称型マルチプロセッシングが可能となった(それまではマスタースレーブ方式が使われていた)。最終版は1988年のリリース7.04である[1]

今日のTOPS-10

1996年、DECはTOPS-10を愛好家が使用することを許諾するホビースト向けライセンスを発行した[4]

今日TOPS-10を動作させる最も簡単な方法は、適当なエミュレータ[5][6]とOSのシステムイメージ[7]を利用する方法である。また、元もとの配布用磁気テープの内容がアーカイブされており、そこから構築することも可能である[8] [9]

ポール・アレンは歴史的コンピュータシステムを保守し公開しているが、その中にTOPS-10が動作する DECsystem-1090 も含まれる[10]

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ソフトウェア

実装されたプログラミング言語

TOPS-10のアセンブラMACRO-10英語版がTOPS-10に同梱されていた。

以下のプログラミング言語製品がTOPS-10上で動作した。

  • ALGOL (ALGOL-10 v10B)[11] - 汎用コンパイラ
  • APL (APL-SF V2)[12] - 数学的モデリング用インタプリタ
  • BASIC (BASIC-10 v17F)[13] - 汎用インタプリタ
  • BLISS (BLISS-10[14], BLISS-36[15]) - システムプログラミング用コンパイラ
  • COBOL (COBOL-68[16], COBOL-74[17]) - 事務処理用コンパイラ
  • FORTRAN (FORTRAN-10 v11[18]) - 科学技術計算用コンパイラ

以下のプログラミング言語もTOPS-10上で実装されているが、DEC純正ではなくユーザーグループ DECUS英語版 の会員が提供したものである。

実装されたユーティリティ

以下のリストはTOPS-10で実装された主なユーティリティソフトである。

TOPS-10で実装された主なゲーム

影響

MS-DOSはTOPS-10から大きな影響を受けている。3文字のファイル拡張子、EXEやTXTといった主な拡張子名、アスタリスク(*)を用いたワイルドカード、コマンドのスイッチにスラッシュ(/)を用いるなど、数多くの共通点がみられる[19]

脚注

関連項目

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