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USFL
アメリカ合衆国のアメリカンフットボールリーグ ウィキペディアから
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ユナイテッド・ステイツ・フットボール・リーグ(United States Football League、通称:USFL)は1980年代に存在し、2022年に復活し、2024年にUFLに統合された、アメリカンフットボールのプロリーグである。
かつて1983年から1985年の3シーズンにわたって、春夏シーズン制で3年間興行された。NFLの競争相手であったが、4シーズン目の前に解散した。2022年春、多くのチーム名を引き継いで復活した。2024年、XFLと統合されてユナイテッド・フットボール・リーグ (United Football League)となった。
2022年に復活したUSFL
要約
視点
概要
2022年に、FOXテレビネットワークが主なスポンサーとなり、かつてのリーグ名を引き継いで復活した。NFLのオフシーズンである4月から7月にかけてシーズンが行われる。1983年-1985年のUSFLと異なり、アメリカ合衆国の東半分にチームが集中した。さらにCOVID-19の影響の下で全本拠地では試合を開催せず、少数の都市に限定して試合を開催した。
2022年シーズンは1都市に8チームを集めてレギュラーシーズンが行われた。
2023年シーズンは、チーム数拡大はせず、4都市に8チームを集めて行われた[1]。2022年11月にタンパベイ・バンディッツがタンパベイからメンフィスに移転しメンフィス・ショーボーツ(Memphis Showboats)に改名することが発表された[2]。2月18日からはXFLが復活したため、シーズンの一部が重なった。
2023年9月28日、XFLとともに合併の意志を表明した[3]。2023年11月30日、連邦政府の承認が下り、合併したリーグを2024年3月30日に開始すると発表した[4]。2023年12月31日、新リーグの名称がユナイテッド・フットボール・リーグとなると発表した[5]。
チームの本拠地および試合開催地
シーズンの構成
8チームが2つのディビジョンに分かれる。レギュラーシーズンでは、各チームは同ディビジョンの3チームとは2試合ずつ、別ディビジョンの4チームとは1試合ずつの合計10試合を戦う。両ディビジョンの上位2チームがディビジョン優勝を決める準決勝ディビジョン・ファイナルを行ったのち、ディビジョン間で争われる決勝チャンピオンシップを経て優勝を決める[6]。
順位決定のタイブレーカー
ディビジョン内の順位は勝率で決められるが、複数チームが同勝率で並んだ場合は、以下のタイブレーカーが用いられる。
- 直接対決の勝率
- ディビジョン内の勝率
- 勝利した相手チームの勝ち数の合計
- リーグ内の全試合での得失点差
- リーグ内の全試合での全得失タッチダウン差(得たタッチダウン数と許したタッチダウン数の差)
- コイントス
放送および配信
FOXスポーツ、FOXスポーツ1、NBC, USAネットワークの放送のほか、Peacockで配信される。
各選手のヘルメットにカメラが付けられ、フィールド上を飛ぶドローンが使用される。
ルールの違い
NFLと比べ以下のようなルールの違いがある[7]。
クロック
キックオフとパント
- NFLでは両チームの選手が加速して衝突する怪我を避けるためにキックオフではタッチバックが増えるよう誘導されつつあるが、USFLでは怪我を避けながら接触プレーが増えるよう工夫されている。ほとんどの選手がキッキングチームのエンドで15から25ヤード離れて並んでキックと同時にレシービングチームエンドに移動することになり、これはXFLでほとんどの選手がレシービングチームのエンドでわずか5ヤード離れて並ぶのと対照的である。
- キックオフは自陣20ヤードから(2022年シーズンは25ヤードから[9]) (NFLは35ヤード)。キッキングチームはキック地点の線とその1ヤード後ろの線の間に並ぶ。レシービングチームは相手ゾーンの35ヤード線と45ヤード線の間に8人以上を位置させなくてはならない。
- キックされたボールがどちらのチームにも接触されずに止まった場合は、レシービングチームのボールとなる。
- キッキングチームは、キック地点から20ヤード以上進んだ地点ではボールに触れることができない。
- 上記の標準的なキックオフのほか、オンサイドキックか、あるいは自陣の33ヤードラインから4thダウン12ヤードのスクリメージ・プレー1回を試みることができる。
- パントでは、キッキングチームの選手は数字のラインの外側に並ぶことができず、ボールがキックされるまでダブルチームでブロックされてはならない。
パス
- 1プレーでスクリメージラインより後からの2回のフォワードパスが許される。
- パスがスクリメージラインを越さなくても攻撃側のラインメンはラインを超えて前に進むことができる。
- キャッチ後に片足がフィールド内のグラウンドに触れただけでパス成功となる (NCAAと同じ)。
ペナルティーとリプレイ
- 意図的なものを除き、防御側のパス・インターフェアランスのペナルティは最大で15ヤードとなる。
- リプレイ・チャレンジは各チーム1試合1回まで (NFLでは2回までだが成功すればもう1回できる)。失敗すればタイムアウトを失う。成功すれば再びチャレンジできる。
- サイドラインのチェーン・クルーは廃止され、ボール内のマイクロチップで位置を測定する[10]。
- ロサンゼルスにおかれるリプレイコマンド・センターは判定を覆すことができる。
ポイント・アフター・タッチダウン (トライ)
- タッチダウンの後、チームは以下の3つのプレーを選ぶことができる
- 15ヤードラインからの1ポイントのキック (NFLと同じ)
- 3ヤードラインからの2ポイントコンバージョン (NCAAと同じ、NFLでは2ヤードライン)
- 10ヤードラインらの3ポイントコンバージョン (USFL独自のルール)
- ファンブル、インターセプト、キック・ブロックで守備側がボールを得てリターンタッチダウンをすると上の攻撃チームの選択によらず2点が与えられる。
オーバータイム
- コイントスで勝ったチームが先に攻撃するか守備するかを選ぶ。両チームが同じゴールライン側を用いる。
- 両チームが交互に合計3回の2ポイントコンバージョンを試み、成功回数の多いチームが勝利する。勝敗が決定した段階で打ち切られる。
- 同点の場合は、いずれかのチームが成功するまでサドンデス方式で続く。サッカーのPK戦と異なり、先攻チームが成功した段階でゲームは終了する。
- 一回の攻撃で一回ずつのタイムアウトを取ることができる。
- 守備チームがボールを得るターンオーバーがあった場合、その時点でプレイは終了する。
2022年シーズン
概要(2022年)
2022年シーズンは、8チームで10週間にプレーオフを加えて実施された。アラバマ州バーミンガムに集まって全レギュラーシーズンの試合を行う"バブル・シーズン"として行われた。2022年4月16日から開催され、地上波のFOXスポーツとNBCスポーツがそれぞれ14試合と9試合を放送し、ケーブル局のFOXスポーツ1とUSAネットワークがそれぞれ8試合と9試合を中継し、Peacockが4試合を独占配信した[11][12][13]。
主に土曜日と日曜日に試合が行われたが、一部の試合は金曜日および月曜日にも行われた[14]。
チームの本拠地は、アメリカの東半分に集中していた。
バーミンガム・スタリオンズが初代のチャンピオンとなった。
チーム(2022年)
2022年は8チームが参加したが、COVID-19流行のため、本拠地を離れアラバマ州バーミングハムにある2つのスタジアム(Protective Stadium、Legion Field)でのみ試合を行う「バブル・シーズン」となった[15][16][17]。ただしプレーオフ3試合はオハイオ州カントンで行われた[18]。
ドラフト(2022年)
初のドラフトは2022年2月22日および23日に行われた。初シーズンであるため、ドラフト順はくじであらかじめ決められ、偶数巡目では奇数巡目と逆順で行われた。1巡目はQB、2-4巡目はDEなどと巡目ごとにポジションを定めて行われ、合計で35巡の指名が行われた。
レギュラーシーズン結果(2022年)
プレーオフ(2022年)
| ディビジョン・ファイナル 2022年6月25日 | チャンピオンシップ 2022年7月3日 | ||||||||
| N2 | フィラデルフィア | 19 | |||||||
| N1 | ニュージャージー | 14 | |||||||
| N2 | フィラデルフィア | 30 | |||||||
| S1 | バーミンガム | 33 | |||||||
| S2 | ニューオーリンズ | 17 | |||||||
| S1 | バーミンガム | 31 | |||||||
2023年シーズン
概要(2023年)
2023年シーズンは、2022年シーズンと同じく8チームで運営されたが、タンパベイ・バンディッツがメンフィス・ショーボーツとなった。前シーズンがアラバマ州バーミンガムだけで全レギュラーシーズンの試合を行ったのと異なり、今シーズンは2都市から4都市で開催する方針が示され、バーミンガム[24]、テネシー州メンフィス[25]、ニュージャージー・ジェネラルズの開催地としてのオハイオ州カントン[26]、そしてミシガン州デトロイトの4都市が決定した。2022年に引き続き、チームの本拠地はアメリカの東半分に集中した。
2023年4月15日にシーズンが開始された。2023年2月18日からはXFLが復活するため、シーズンの一部は重なり競合した。ヒューストンはUSFLとXFLさらにNFLの全てでチームを持つ唯一の都市となった。
バーミンガム・スタリオンズが前年に引き続き優勝した。
チーム(2023年)
ドラフト(2023年)
2023年2月21日、10巡の指名で行われた。ドラフト順は奇数巡が昨年の勝率の悪い順、偶数巡がその逆順で行われた。ただし、奇数巡の第一指名順は、昨シーズン最終週の直接対決まで1勝8敗で最下位に並んでいたミシガン・パンサーズとピッツバーグ・モーラーズの試合結果の勝者が上位になるよう定められた。結果として勝利したパンサーズが第一指名順を得て、勝率と指名順はこの2チームに関しては逆転した。
ルール変更(2023年)
前述のように、試合時間短縮のために残り時間5分までは第2、第4クォーターでもパス不成功でクロックが止まらないよう改定された。また、キックオフの81%しかリターンされなかったことを理由として、キックオフの位置を昨年の自陣25ヤード地点から20ヤード地点まで下げた[9]。
レギュラーシーズン結果(2023年)
プレーオフ(2023年)
| ディビジョン・ファイナル 2023年6月24日-25日 | チャンピオンシップ 2023年7月1日 | ||||||||
| N1 | ピッツバーグ | 31 | |||||||
| N2 | ミシガン | 27 | |||||||
| N1 | ピッツバーグ | 12 | |||||||
| S1 | バーミンガム | 28 | |||||||
| S1 | バーミンガム | 47 | |||||||
| S2 | ニューオーリンズ | 22 | |||||||
XFLとの統合によるUFLへ
→「UFL (2024)」も参照
2024年のXFLとの統合によるUFL (ユナイテッド・フットボール・リーグ)設立に伴い、8チームのうち4チームは消滅し、1チームは同じ本拠地のXFLチームと合併してUFLに加わり、3チームはUFLに移動した。
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1982年 - 1986年のUSFL
要約
視点
USFLは、NFLおよびカレッジフットボールがシーズンオフとなる夏にプロフットボールの市場があると見た、ニューオーリンズの実業家デヴィッド・ディクソンによって構想された。ディクソンは、かつてルイジアナ・スーパードームの建設とニューオーリンズ・セインツの創設にかかわる中心メンバーであった[38] 。
構想によれば、各チームはNFLチームと同じスタジアムを春夏期間のシーズンオフ中に使用し、様々なガイドラインに従うはずであった。だが現実には各チームは財政問題を抱え、かつNFLチームからの圧力でスタジアム確保もままならなかった。サラリーキャップの欠如により、運営コストがコントロール不可能になるほどの年俸を支払うチームも出現した。その結果、チームの移転、合併、売却が続出した。また、NFLおよび他のUSFLチームに対抗して好選手を確保するため、年俸条件のつり上げが起こってチームの財政を悪化させた。
USFLチームの運営幹部およびヘッドコーチはNFLでの経験があり、有望な選手やコーチはUSFLでキャリアをスタートさせ、その何人かは後にプロフットボール殿堂や大学フットボール殿堂に入ることになった。シーズン初年度の1983年にはミシガン・パンサーズが優勝し、1984年にはフィラデルフィア・スターズが優勝し、最終シーズンとなった1985年には、移転してボルチモア・スターズとなって連続優勝した。
1985年、USFLは翌年からシーズンをNFLと重なる秋冬制に変更しようとした。当時のニュージャージー・ジェネラルズのオーナーであったドナルド・トランプを含むオーナーたちは、この変更によりNFLとの合併をもくろんだ。その一環としてUSFLはNFLを反トラスト法違反で訴えたが、わずか3ドルの賠償金を得ただけにとどまり[39]、USFLは1億6千3百万ドルの負債を抱えて終了した。
USFLからNFLに移動した主な選手
- ジム・ケリー : USFL ヒューストン・ギャンブラーズでプレーしたのちにNFL バッファロー・ビルズでプレー
- スティーブ・ヤング : USFL ロサンゼルス・エクスプレスでプレーしたのちにNFL タンパベイ・バッカニアーズ、サンフランシスコ・49ersでプレー
- レジー・ホワイト : USFL メンフィス・ショーボーツでプレーしたのちにNFL フィラデルフィア・イーグルス、グリーンベイ・パッカーズでプレー
- ハーシェル・ウォーカー : USFL ニュージャージー・ジェネラルズでプレーしたのちにNFL ダラス・カウボーイズ、ミネソタ・バイキングスでプレー
- ダグ・フルーティ : USFL ニュージャージー・ジェネラルズでプレーしたのちにNFLとCFLでプレー
- ゲイリー・ジマーマン : USFL ロサンゼルス・エクスプレスでプレーしたのちにNFL ミネソタ・バイキングスでプレー
- ボビー・エイベア : USFL ミシガン・パンサーズ/オークランド・インベーダーズでプレーしたのちにNFL ニューオーリンズ・セインツ、アトランタ・ファルコンズでプレー
- アンソニー・カーター : USFL ミシガン・パンサーズ/オークランド・インベーダーズでプレーしたのちにNFL ミネソタ・バイキングスでプレー
チーム(1982年 - 1986年)
※太字は2022年以降に復活したチーム
- アリゾナ・アウトローズ (1985; アリゾナ・ラングラーズとオクラホマの合併による)
- アリゾナ・ラングラーズ (1983, 1984; アリゾナとシカゴは選手をトレード)
- バーミンガム・スタリオンズ (1983–1985)
- ボストン・ブレイカーズ (1983)
- ニューオーリンズ・ブレイカーズ (1984; 移転)
- ポートランド・ブレイカーズ (1985; 移転)
- ニューオーリンズ・ブレイカーズ (1984; 移転)
- シカゴ・ブリッツ (1983, 1984; アリゾナとシカゴは選手をトレード)
- デンバー・ゴールド (1983–1985)
- ヒューストン・ギャンブラーズ (1984–1985)
- ジャクソンビル・ブルズ (1984–1985)
- ロサンゼルス・エクスプレス (1983–1985)
- メンフィス・ショーボーツ (1984–1985)
- ミシガン・パンサーズ (1983–1984; 1985年にオークランドと合併)
- ニュージャージー・ジェネラルズ (1983–1985)
- オークランド・インベーダーズ (1983–1985; 1985年にミシガンと合併)
- オクラホマ・アウトローズ (1984)
- フィラデルフィア・スターズ (1983–1984)
- ボルチモア・スターズ (1985; 移転)
- ピッツバーグ・モーラーズ (1984)
- サンアントニオ・ガンスリンガーズ (1984–1985)
- タンパベイ・バンディッツ (1983–1985)
- ワシントン・フェデラルズ (1983–1984)
- オーランド・レネゲイズ (1985; 移転)
ディビジョン構想
NFLとの裁判の前、インディペンダンス・ディビジョンとリバティー・ディビジョンの二つに分ける構想があった。
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参照
関連項目
外部リンク
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