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湿球黒球温度
酷暑環境下での行動に伴うリスクの度合を判断するために用いられる指標 ウィキペディアから
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湿球黒球温度(しっきゅうこっきゅうおんど、wet-bulb globe temperature)は、酷暑環境下での行動に伴うリスクの度合を判断するために用いられる指標である。暑さ指数(WBGT)と日本の環境省は称している[1]。
人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温を反映しており[1]、湿球温度 (Tw)、黒球温度 (Tg)、乾球温度 (Td)の値を使って計算する。湿球温度と黒球温度は気流の影響も反映するので、WBGTは気流も反映している[2]。
- 日射がある場合
- 日射がない場合(屋内および日照していない場合)
1954年にアメリカ海兵隊新兵訓練所で熱中症のリスクを事前に判断するために開発された[3]。軍隊のほか、高温となる労働環境や運動環境等での熱中症を予防するために国際的に利用されており、ISO 7243、JIS Z 8504などとして規格化されている。
日本の気象庁と環境省は、2020年から関東甲信地方で、2021年から全国でWBGTが33°C以上になると予報された場合に熱中症警戒アラートを発表しているほか、2024年からは都道府県内すべての観測点でWBGTが35°C以上になると予測された場合に熱中症特別警戒アラートを発表している[4][5]。
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歴史

1954年、アメリカ合衆国サウスカロライナ州パリスアイランドにあるパリス・アイランド訓練所で導入された。サウスカロライナ州は温暖湿潤気候にあるが、パリスアイランドなどの標高の高い地域は大西洋岸よりも温帯の性格が少なく夏は高温多湿となるため訓練中に熱中症となるリスクが高いことから、予防措置としてWBGTを導入した。効果が認められ、アメリカ軍の訓練施設でも導入された。
熱中症予防
WBGTが28°Cを超えると熱中症患者発生率が急増する[1]。アメリカスポーツ医学会はWBGTが28°C以上の時は16km(10マイル)以上の長距離走を禁止する指針を1975年に発表した[3]。
ウェザーニューズも基本的に同じ基準に従っているが、熱中症警戒アラートの基準である33°C以上を「非常に危険」と称している。加えて、東京都環境局では、熱中症特別警戒アラートの基準である35°C以上を「災害級の危険」と称している[7]。
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推定値
要約
視点
実況推定値
環境省では2022年6月現在、11の地点では実測値を公表しているが829地点においては次の式による実況推定値を公表している[8]。この推定式は小野らによるものである[9]。
- Ta:気温(°C)
- RH:相対湿度(%)
- SR:全天日射量(kW/m2)
- WS:平均風速(m/s)
これとは別に今日・明日・明後日の3時間ごとの予測値を気象庁の数値予報データをもとに発表している。
室内の推定値

日本生気象学会では日射や発熱体のない室内において、気温と相対湿度から推定する表も公開している[10]。この表は黒球温度が乾球温度と等しく、温度と湿度が一様で、気流が弱い(風速0.2m/s)室内を想定している。
脚注
外部リンク
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