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聖母戴冠 (エル・グレコ、プラド美術館)
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『聖母戴冠』(せいぼたいかん、西: La coronación de la Virgen、英: The Coronation of the Virgin)は、クレタ島出身のマニエリスム期 スペインの巨匠エル・グレコが1592年ごろにキャンバス上に油彩で制作した絵画である。画面下部右側に画家の署名がギリシャ語で記されている[1]。作品は1916年にパブロ・ボッシュ・イ・バラウ (Pablo Bosch y Barrau) から寄贈されて以来、マドリードのプラド美術館に所蔵されている[1][2]。

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作品
エル・グレコは、「聖母戴冠」を主題とした作品を少なくとも5点制作した。本作はその中でも最も質の高い作品の1つで、タラベラ・ラ・ビエハの町のために制作された、7人の聖人が画面下部に登場する作品 (サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院蔵) の直後に描かれた[2]。サンタ・クルス美術館 (トレド)、サン・ホセ礼拝堂 (トレド)、カリダー施療院 (イリェスカス) などの同主題作同様[3]、本作は構図的にアルブレヒト・デューラーの木版画『聖母の被昇天と戴冠』に想を得ている[1]。
画面では、聖母マリアが同時に父なる神とイエス・キリストにより「天の女王」として戴冠されている。彼ら3人の頭上にいるハトの姿の聖霊が、3人とともに形作る菱形の頂点をなしている[1]。聖母マリアは大きな三日月に乗って登場しており、この三日月は彼女の「無原罪の御宿り」の性格を強調する。エル・グレコは本作で赤、青、白、黄色に色数を制限しているが、色調は素晴らしく、繊細な輝きを有している[2]。
本作の委嘱者についてはわかっていないが、1660年に亡くなったドン・アグスティン・デ・イエロ (Don Agustín de Hierro) に所有されていた可能性がある。 彼はカスティーリャ評議会の1員で、この評議会はエル・グレコの作品を数点所有していた。本作はまた、1810年にマドリード王宮の目録に記載された『聖母戴冠』に結びつけられてきた[2]。
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エル・グレコの『聖母戴冠』
- 『聖母戴冠』(1591年ごろ)、サンタ・クルス美術館 (トレド)
- 『聖母戴冠』(1591-1592年ごろ)、サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院(グアダルーペ)
- 『聖母戴冠』(1590年代)、サン・ホセ礼拝堂 (トレド)
- 『聖母戴冠』(1603-1605年ごろ)、カリダー施療院 (イリェスカス)
脚注
参考文献
外部リンク
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