アザワド
ウィキペディア フリーな encyclopedia
アザワド(トゥアレグ語: ⴰⵣⴰⵓⴷ[4], アラビア語: أزواد, Azawad)は、マリ共和国北部の地域。反政府勢力アザワド解放民族運動(Azawad National Liberation Movement、MNLA)をはじめとしたグループが2012年初頭からの紛争でマリ軍をトゥアレグ族が主張する領土から駆逐した後に、一方的に独立宣言を行った地域である。ただし国際的な国家の承認は得られていない。MNLAはマリの地方行政区画のうちトンブクトゥ州、キダル州、ガオ州、モプティ州の一部から成っていると主張している[5]。南西をマリ、南をブルキナファソ、北西から西にかけてをモーリタニア、北をアルジェリア、東から南東にかけてをニジェールに囲まれている。サハラ砂漠とサヘルをまたがった地域に位置する。ガオが最大の都市であり暫定首都である[6]。
2012年4月6日にMNLAがウェブサイトで、アザワドがマリから「取り消すことのできない」独立を行ったとの声明を出した。独立運動事務局長のビラル・アグ・アチェリフ(英語版)は同日、ガオにて独立宣言に署名した[7]。しかし、この宣言は未だ外国による承認を得ておらず[2]、またMNLAが主張するアザワドにおける事実上の統治でさえ、マリ政府やMNLAとかつて共同戦線を組んでいたイスラム軍事組織アンサル・ディーンとは議論がある[8]。
2012年5月26日にはMNLAとアンサル・ディーンが合同し、マリ北部にイスラム国家を建国することで合意した[9][10]が後に両者の対立が鮮明となり、アンサル・ディーンはMNLAによるアザワド独立を却下[11]。2012年6月27日のガオにおけるMNLAとアンサル・ディーン間の戦闘の結果、MNLAはガオより駆逐され、アンサル・ディーンはマリ共和国北部を支配下においたと宣言[12]。アザワドは事実上崩壊した。