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ホルトン・アープが編纂した特異銀河の天体カタログ ウィキペディアから
アープ・アトラス[1](Atlas of Peculiar Galaxies[1])は、ホルトン・アープが編纂した特異銀河の天体カタログである。合計338個の銀河が収録されており、1966年にカリフォルニア工科大学から第1版が発行された[2]。
このカタログの第一の目的は、近隣の銀河の特異な構造の例となる写真を一覧化することである。アープは、銀河が渦巻や楕円の構造を取る理由がまだ良く分かっていないことを認識していた。彼は、特異銀河を、天文学者が銀河がなぜ渦巻や楕円の形に変形するのかを理解するために用いることができる小さな「実験場」と捉えていた。このカタログでは、特異銀河のサンプルを詳細に研究することができる。全天の特異銀河を全て収録している訳ではないが、近隣の銀河で観測される異なる現象の例を提供してくれる。
出版当時は、銀河が異なる形に変形する物理過程がほとんど分かっていなかったため、カタログにはその見かけの順に銀河が並べられている。1番から101番までの銀河は、独立した特異な渦巻銀河か小さな伴銀河を伴う特異渦巻銀河である。102番から145番までの銀河は、楕円銀河及び楕円様銀河である。146番から268番までの銀河は、渦巻でも楕円でもない銀河である。269番から327番までの銀河は、二重銀河である。332番から338番までの銀河は、上記のどれにも当てはまらない銀河である。
ほとんどの銀河は、このカタログの符号ではなく別の名前(符号)で知られているが、Arp 220等、Arp番号が最も良く使われる銀河もいくつか存在する。
今日では、このカタログに収録されたような特異な構造に至る物理過程は良く解明されている。M51(Arp85)、Arp220、触角銀河(Arp244)等を含む大多数の銀河は、相互作用銀河である。また、NGC 1569(Arp 210)等のいくつかの銀河は、密集構造を作るのに十分な重力が得られなかった低質量の矮小銀河である。また、M87(Arp152)やケンタウルス座A(Arp153)等、宇宙ジェットと呼ばれる強力なジェットを噴出する活動銀河核を持つ電波銀河も収録されている。
Arp番号 | 名前 | 視等級 | 備考 |
---|---|---|---|
26 | M101 | +7.5 | 渦巻銀河 |
37 | M77 | +8.9 | 電波銀河 |
41 | NGC 1232 | +9.8 | 渦巻銀河 |
76 | M90 | +9.5 | 渦巻銀河 |
77 | NGC 1097 | +9.5 | 相互作用銀河 |
85 | 子持ち銀河 (M51) | +8.4 | 相互作用銀河 |
116 | M60 | +8.8 | 衝突銀河 |
152 | M87 | +8.6 | 楕円銀河 |
153 | ケンタウルス座A (NGC 5128) | +6.6 | 衝突中の電波銀河? |
188 | おたまじゃくし銀河 | +14.4 | 融合銀河 |
242 | マウス銀河 | +14.7 | 衝突銀河 |
244 | 触角銀河 | +10.3 | 衝突銀河 |
317 | M65 | +9.2 | 渦巻銀河 |
319 | NGC 7320 | +15 | 衝突銀河 |
337 | M82 | +8.6 | スターバースト銀河 |
多くは、表面の輝度の小さい(即ち、単位面積当たりの光放出量が少ない)矮小銀河か構造がはっきりしない渦巻銀河であり、Smと表記される。低表面輝度銀河は、非常にありふれている。例外はSc渦巻銀河のNGC 2857(Arp1)である[3]。
このカテゴリには、2つの部分に分裂した腕を持つ渦巻銀河が含まれる。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
7 | Arp 7 | |
8 | NGC 497 | |
9 | NGC 2523 | |
10 | UGC 1775 | 中心から外れた核を持つ |
11 | UGC 717 | |
12 | NGC 2608 | |
このカテゴリには、分割されたようにみえる腕を持つ渦巻銀河が含まれる。その理由には、塵の筋が腕からの光を遮蔽するものや明るい星団が腕の中に存在するもの等がある。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
13 | NGC 7448 | |
14 | NGC 7314 | |
15 | NGC 7393 | |
16 | M66 | |
17 | UGC 3972 | |
18 | NGC 4088 | |
通常、ほとんどの渦巻銀河は2本の明瞭な腕を持つか、不明瞭なフィラメント状の渦巻構造を持つ。3本の明瞭な腕を持つ渦巻銀河は珍しい。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
19 | NGC 145 | |
20 | UGC 3014 | |
21 | Arp 21 | |
1本の腕を持つ渦巻銀河も珍しい。この場合、1本の腕は、他の銀河との重力相互作用によって形成されることがある。
これらの銀河の腕は、非対称形であり、1本の腕が他よりもかなり明るく見える。アープによって撮影された写真板では、明るい腕は暗く見えた。このような銀河(M101やNGC 6946等)のほとんどは、単に非対称な渦巻銀河であるが、NGC 6365は、2つのうち1つが側面を向けた相互作用銀河である[5]。
伸びた「S」の形、または積分記号の形をした渦巻銀河である。IC 167等は、単にそのように見える角度にあるだけの通常の渦巻銀河である[6]。UGC 10770等は、潮汐尾が腕のように見える相互作用銀河である[7]。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
31 | IC 167 | |
32 | UGC 10770 | |
33 | UGC 8613 | |
34 | NGC 4615 | |
35 | UGC 212 | |
36 | UGC 8548 | |
これらの渦巻銀河の多くは、視野の中で低表面輝度銀河と相互作用している可能性がある。しかし、伴銀河が物理的に近くにあるのか、単に同じ方向にあるだけなのかを決定するのが難しい場合もある。
これらの渦巻銀河の多くは、視野の中で低表面輝度銀河と相互作用している可能性があるが、やはり伴銀河が物理的に近くにあるのか、単に同じ方向にあるだけなのか、さらには1つの銀河の中に明るい星団があるだけなのかを決定するのが難しい場合がある。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
49 | NGC 5665 | |
50 | IC 1520 | |
51 | Arp 51 | |
52 | Arp 52 | |
53 | NGC 3290 | |
54 | Arp 54 | |
55 | UGC 4881 | |
56 | UGC 1432 | |
57 | Arp 57 | |
58 | UGC 4457 | |
59 | NGC 341 | |
60 | Arp 60 | |
61 | UGC 3104 | |
62 | UGC 6865 | |
63 | NGC 2944 | |
64 | UGC 9503 | |
65 | NGC 90 | |
66 | UGC 10396 | |
67 | UGC 892 | |
68 | NGC 7757 | |
69 | NGC 5579 | |
70 | UGC 934 | |
71 | NGC 6045 | |
72 | NGC 5994, NGC 5996 | |
73 | IC 1222 | |
74 | Arp 74 | |
75 | NGC 702 | |
76 | M90 | |
77 | NGC 1097 | |
78 | NGC 772 | |
このカテゴリの銀河は、相互作用の源がはっきりしている。最も有名な例はM51で、相互作用する渦巻銀河NGC 5194と小さな楕円銀河NGC 5195から構成されている。相互作用により、両方の銀河の形が歪む。渦巻銀河の腕は引き延ばされて大きな渦巻銀河となり、2つの銀河の間に恒星とガスのブリッジが形成される。このカテゴリの他の銀河の多くも、ブリッジで繋がっている。
高表面輝度の伴銀河を持つ渦巻銀河と同様に、これらの渦巻銀河は、明瞭な相互作用系を持つ。多くの場合、潮汐尾やブリッジが確認できる。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
92 | NGC7603 | |
93 | NGC 7284, NGC 7285 | |
94 | NGC 3226, NGC 3227 | |
95 | IC 4461, IC 4462 | |
96 | Arp 96 | |
97 | UGC 7085A | |
98 | Arp 98 | |
99 | NGC 7547, NGC 7549, NGC 7550 | 三つ子の銀河[9] |
100 | IC 18, IC 19 | |
101 | UGC 10164, UGC 10169 | |
このカテゴリの銀河は、「楕円銀河の伴銀河を持つ渦巻銀河」と非常に似ている。全ての銀河は、重力相互作用によって形成される潮汐尾やブリッジのような構造を持つ。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
102 | Arp 102 | |
103 | UGC 10586 | 三つ子の銀河[10] |
104 | NGC 5216, NGC 5218 | |
105 | NGC 3561 | |
106 | NGC 4211 | |
107 | UGC 5984 | |
108 | Arp 108 | |
これらの銀河についての記述に基づくと、アープはもともと、楕円銀河は伴銀河の中で渦巻銀河を押しのけていると考えていたようである。しかし、潮汐作用を受ける腕は、相互作用によって歪んでいるように見えた。このような「弾かれた」腕は、楕円銀河とは反対側にある。シミュレーションにより、このような構造の形成には反発力は必要なく、重力相互作用だけで形成されることが示された。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
109 | UGC 10053 | |
110 | Arp 110 | |
111 | Arp 111 | 銀河団[11] |
112 | NGC 7805, NGC 7806 | |
このカテゴリも、その大部分は相互作用銀河である。カテゴリ名に示される通り、渦巻銀河は摂動しているように見える。アープはもともと楕円銀河を反発力として記述していた。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
113 | NGC 70 | 銀河団の一部[12] |
114 | NGC 2276, NGC 2300 | |
115 | UGC 6678 | 三つ子の銀河[13] |
116 | M60, NGC 4647 | |
117 | IC 982, IC 983 | |
118 | NGC 1141, NGC 1142 | |
119 | Arp 119 | |
120 | NGC 4435, NGC 4438 | |
121 | Arp 121 | |
122 | NGC 6040 | |
123 | NGC 1888, NGC 1889 | |
124 | NGC 6361 | |
125 | UGC 10491 | |
126 | UGC 1449 | |
127 | NGC 191 | 実際は相互作用するレンズ状銀河と渦巻銀河である[13]。 |
128 | UGC 827 | |
129 | UGC 5146 | |
130 | IC 5378 | |
131 | Arp 131 | |
132 | Arp 132 | |
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
133 | NGC541 | |
134 | M49 | |
135 | NGC 1023 | |
136 | NGC 5820 | |
アープは、このカテゴリの楕円銀河は、その核から物質を放出していると考えた。多くの画像は、そのように解釈できたが、これらの銀河は実際は、他の現象の複合である。例えば、NGC 2914 (Arp 137)は、暗い腕を持つただの渦巻銀河であり[14]、NGC 4015 (Arp 138)は、一方が地球から見て真横を向いた相互作用銀河である[15]。NGC 2444やNGC 2445 (Arp 143)は、ある銀河が別の銀河の円盤を通り過ぎた際に形成された環状銀河」を含む系である。この通過により重力波が発生し、最初はガスが内部に落ち込むが、その後放出され、環状構造を作る[16]。
このカテゴリの銀河は、アープにより、渦巻でも楕円でもない形と記述された。彼は「不定形」("amorphous")という言葉を用いなかったが、これらの銀河の形を表現するには最も適している。
これらの銀河の多くは、相互作用銀河か2つの小さな銀河の融合残骸である。相互作用過程では、潮汐尾やブリッジのような様々な潮汐構造が作られ、銀河の円盤や核が融合した後にも残ることがある。潮汐尾は、様々な構造を見せるが、全て同一の現象である。
前述の通り、これらの環状銀河は、一方の銀河が他方の環状銀河を通過した際に形成される。相互作用は波を発生させ、最初は内部に物質を落下させ、その後、環の外側に放出する[16]。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
146 | Arp 146 | |
147 | IC 298 | |
148 | Arp 148 | |
これらの銀河は、核から外側に物質を噴き出しているように見える。「ジェット」自体は、ホースから飛び散る水のように見える。IC 803 (Arp 149)やNGC 7609 (Arp 150)の場合、ジェットは相互作用によって形成される不定形構造の一部である。しかし、Arp 151やM87 (Arp 152)の場合、ジェットは、銀河の活動銀河核内にある超大質量ブラックホールの周りから噴出されるイオン化ガスである[24][25]。このようなジェットは、しばしば相対論的ジェットや電波ジェットと呼ばれ、特に電波の波長で強いシンクロトロン放射の源となる。
このカテゴリの銀河は、暗い塵の帯により、銀河の円盤の一部が遮蔽されている。このような銀河は全て、2つの銀河の融合により生じたものである。NGC 520 (Arp 157)は、融合の途中段階にある良い例で、2つの銀河の円盤が融合しているが、それぞれの核は残っている。ケンタウルス座A(Arp 153)やNGC 1316 (Arp 154)は、特異な塵の帯を持つ楕円銀河である。その運動や構造は、それらが近年融合したことを示している。NGC 4747 (Arp 159)は、非常に暗い塵の帯を持つ真横を向いた渦巻銀河である[28]。
これらの銀河で見られるフィラメントは、銀河間相互作用に起因する潮汐尾を表している。多くの銀河は、2つの渦巻銀河が融合して1つの楕円銀河となったものである。しかし、NGC 3414 (Arp 162)は、銀河バルジの大きさと比べて非常に小さな円盤を持った単なるレンズ状銀河であると考えられている[4]。NGC 4670(Arp 163)は、非常に強い星形成活性を持つ青色コンパクト矮小銀河である[30]。非常に小さいため、他の銀河のように2つの渦巻銀河の融合残骸ではないことは明らかであるが、より小規模な相互作用の可能性はある。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
161 | UGC 6665 | |
162 | NGC 3414 | レンズ状銀河[4] |
163 | NGC 4670 | 青色コンパクト矮小銀河[30] |
164 | NGC 455 | |
165 | NGC 2418 | |
166 | NGC 750, NGC 751 | |
全ての銀河は、銀河間相互作用している。このような逆向きの尾は、2つの銀河間の重力相互作用による潮汐構造である。アンドロメダ銀河と相互作用する矮小銀河であるM32 (Arp 168)は[4]、このカテゴリに含まれる(が、アープの写真で、逆向きの尾を見ることは非常に困難である)。
重力相互作用によって形成される潮汐尾を持つもう1つのカテゴリーである。これらの潮汐尾は補足、上のカテゴリーの銀河が持つ潮汐尾よりも明瞭である。
このカテゴリには、異なった種類の銀河が含まれる。「希薄なフィラメントを持つ銀河」や「逆向きの尾を持つ銀河」と同様に、このカテゴリには相互作用銀河が含まれ、フィラメントはこの相互作用によって形成される潮汐構造である。しかし、希薄な腕を持つ孤立した渦巻銀河も、アープによって"filaments"と記載されている。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
179 | Arp 179 | |
180 | Arp 180 | 相互作用銀河[35] |
181 | NGC 3212, NGC 3215 | 相互作用銀河[36] |
182 | NGC 7674, NGC 7674A | 相互作用銀河[37] |
183 | UGC 8560 | 渦巻銀河[38] |
184 | NGC 1961 | 渦巻銀河[39] |
185 | NGC 6217 | 渦巻銀河[40] |
186 | NGC 1614 | 近年まで相互作用していた渦巻銀河[41] |
187 | Arp 187 | |
188 | おたまじゃくし銀河 | 近年まで相互作用していた銀河 |
189 | NGC 4651 | 潮汐恒星ストリーム[42] |
190 | UGC 2320 | 相互作用銀河[43] |
191 | UGC 6175 | 相互作用銀河[44] |
192 | NGC 3303 | 相互作用銀河[45] |
193 | IC 883 | - |
これらの多くの銀河からの噴出物では、重力相互作用によって形成された潮汐構造が見られる。NGC 5544やNGC 5545等の場合は、噴出物は横向きの渦巻銀河を形成しており、他の銀河の核に重なっている。このカテゴリのほぼ全ての銀河は、現在相互作用しているか、最近まで相互作用していた。NGC 3712 (Arp 203)はその例外であり、これは単なる低表面輝度の渦巻銀河である[46] 。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
194 | UGC 6945 | 相互作用銀河[47] |
195 | UGC 4653 | 相互作用する三つ子の銀河[48] |
196 | Arp 196 | 相互作用銀河[49] |
197 | UGC 6503, IC 701 | 相互作用銀河[50] |
198 | UGC 6073 | 相互作用銀河[51] |
199 | NGC 5544, NGC 5545 | 相互作用銀河[52] |
200 | NGC 1134 | 低表面輝度銀河と相互作用する渦巻銀河[53] |
201 | UGC 224 | 相互作用銀河[54] |
202 | NGC 2719, NGC 2719A | 相互作用銀河[55] |
203 | NGC 3712 | 低表面輝度渦巻銀河[46] |
204 | UGC 8454 | 相互作用銀河[56] |
205 | NGC 3448 | 融合残骸[57] |
206 | UGC 5983, NGC 3432 | 相互作用銀河[58] |
207 | UGC 5050 | 矮小銀河と相互作用する渦巻銀河[59] |
208 | Arp 208 | 相互作用銀河[60] |
このカテゴリの銀河は、不規則構造、塵の帯(吸収)や粒子(分光)を持つ。このカテゴリには、潮汐力で歪んだ相互作用銀河、近隣の不規則矮小銀河、ガスの量が非常に多い渦巻銀河が含まれる。
これらの隣接ループは、銀河間に働く重力相互作用によって形成される構造のもう一つの現れである。融合がほぼ完了した銀河から形成される「隣接ループ」は、相互作用の残骸である。このカテゴリには、最も良く研究された超高光度赤外線銀河の1つであるArp 220が含まれる。
これらの銀河の多くは融合残骸である。「不定形の腕」は、衝突後も残る潮汐塵である。
これらの銀河は、殻のような構造を持つ。しかし、その他の場合は、殻構造はレンズ状銀河の外側の円盤を表している。複雑な時は、環や殻を持った銀河は、他の銀河と相互作用するレンズ状銀河である場合もあり、そのような系の殻の起源を決定することは難しい。
このカテゴリの銀河についての記述は、銀河が分裂していることを示すが、そのほとんどは融合途中である。多くの銀河は、相互作用により形成される非常に明白な潮汐尾やブリッジを持つ。ほとんどの銀河は融合過程の初期段階にあり、それぞれの銀河には核や円盤が残っている。このカテゴリ中の著名な銀河には、触角銀河 (NGC 4038とNGC 4039, Arp 244)やマウス銀河 (NGC 4676, Arp 242)がある。しかし、全ての銀河が相互作用銀河である訳ではなく、いくつかは不規則構造を持つ近隣の矮小銀河である。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
233 | UGC 5720 | 矮小銀河[77] |
234 | NGC 3738 | 矮小銀河[78] |
235 | NGC 14 | 矮小銀河[79] |
236 | IC 1623 | 相互作用銀河[80] |
237 | UGC 5044 | 相互作用銀河[81] |
238 | UGC 8335 | 相互作用銀河[82] |
239 | NGC 5278, NGC 5279 | 相互作用銀河[83] |
240 | NGC 5257, NGC 5258 | 相互作用銀河[84] |
241 | UGC 9425 | 相互作用銀河[85] |
242 | マウス銀河 (NGC 4676) | 相互作用銀河[86] |
243 | NGC 2623 | 相互作用する三つ子の銀河[87] |
244 | 触角銀河 (NGC 4038, NGC 4039) | 相互作用銀河[88] |
245 | NGC 2992, NGC 2993 | 相互作用銀河[89] |
246 | NGC 7837, NGC 7838 | 相互作用銀河[90] |
247 | UGC 4383 | 相互作用銀河[91] |
248 | Arp 248 | 相互作用する三つ子の銀河[92] |
249 | UGC 12891 | 相互作用銀河[93] |
250 | Arp 250 | |
251 | Arp 251 | 相互作用する三つ子の銀河[94] |
252 | Arp 252 | 相互作用銀河[95] |
253 | UGCA 173, UGCA 174 | 相互作用銀河[96] |
254 | NGC 5917 | 特異渦巻銀河[97] |
255 | UGC 5304 | 相互作用銀河[98] |
256 | Arp 256 | 相互作用銀河r[99] |
これらの銀河は、規則性のない一連の塊の構造を持つ。多くは近隣の矮小銀河である。いくつかは相互作用銀河であり、小さな銀河団を形成するものもある。どちらの場合も、構成銀河の多くは不規則銀河である。2つ以上の不規則銀河の重なりは、1つの大きな不規則銀河に見え、このカタログでは、しばしばこのペアや銀河団が1つの天体として扱われている。
アープはもともとこれらの銀河を「二重銀河」と記載していたが、この多くは2つ以上で構成されている。いくつかの銀河は相互作用銀河や銀河団を構成している。相互作用銀河を構成する銀河は歪んでいるが、銀河団の銀河は、重力で互いに繋がっているものの、大きな構造変化を起こすほど近づいてはいない。
相互作用する三つ子の銀河であるNGC 5679 (Arp 274)を除き、これらの銀河は全て相互作用銀河である[112]。ここで記述される接続した腕は、 相互作用銀河の間に形成される潮汐バルジ構造である。銀河間相互作用の初期に形成される。
この「不定形銀河」の節の他の多くの銀河と異なり、相互作用銀河は未だお互いを区別することが可能である。
このカテゴリには、様々な種類の銀河が含まれる。2つは、真横を向き近隣に小さな伴銀河を伴った円盤銀河である。また2つは、潮汐バルジで繋がっている。最後の2つは、長距離で相互作用する銀河である。
二重銀河のカテゴリに含まれているが、これらの銀河の多くは個別の銀河である。「wind effects」とは、M82で見られるような高速のガスである。多くの場合、この効果は相互作用によるものである。その他、特にNGC 3981 (Arp 289)のような場合は、他の銀河と相互作用せず、希薄な放出が銀河自体の本質的な性質となっている[4] 。
これらの系の長いフィラメントは、恐らく銀河間の重力相互作用の結果生じた潮汐尾やバルジである。
298番から310番の銀河については、アープはサブクラスを設けなかった。これらの銀河のほとんどは、相互作用銀河である。
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
298 | NGC 7469, IC 5283 | 銀河のペア[140] |
299 | Arp 299 | 三つ子の銀河[141] |
300 | Arp 300 | 銀河団[142] |
301 | UGC 6204, UGC 6207 | 銀河のペア[143] |
302 | UGC 9618 | 銀河のペア[144] |
303 | IC 563, IC 564 | 銀河のペア[145] |
304 | NGC 1241, NGC 1242 | 銀河のペア[146] |
305 | NGC 4016, NGC 4017 | 銀河のペア[147] |
306 | Arp 306 | 2つの銀河のペアと銀河団[148] |
307 | NGC 2872, NGC 2874 | 銀河のペア[149] |
308 | NGC 545, NGC 547 | 銀河のペア[150] |
309 | NGC 942, NGC 943 | 銀河のペア[151] |
310 | IC 1259 | 銀河のペア[152] |
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
311 | IC 1258と伴銀河 | |
312 | MCG +08-31-004 | |
313 | NGC 3994 + NGC 3995 | |
314 | MCG -03-58-009 + MCG -03-58-010 + MCG -03-58-011 | |
315 | NGC 2830 + NGC 2831 + NGC 2832 | |
316 | NGC 3193 | |
317 | しし座の三つ子銀河 | |
318 | NGC 833と伴銀河 | |
319 | ステファンの五つ子 | |
320 | コープランドの七つ子 | |
321 | Hickson 40 A-E | |
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
322 | UGC 6527 | |
323 | Hickson 98 A-D | |
324 | UGC 10143 | |
325 | ESO601-G018A+BとMCG -04-52-014 | |
326 | UGC 8610 | |
327 | NGC 1875; Hickson 34 A-D | |
328 | UGC 9532; Hickson 72 | |
329 | UGC 6514 | |
330 | I Zw 167; MCG +09-27-094 | |
331 | NGC 379 と伴銀河 (Pisces Cloud) | |
332 | NGC 1228 | |
Arp番号 | 名前 | 備考 |
---|---|---|
333 | NGC 1024 | |
334 | UGC 8498 | |
335 | NGC 3509 | |
336 | NGC 2685 | |
337 | M82 | |
338 | PGC 3094767 | |
アマチュア天文学者で作家の Maynard Pittendreighは、アマチュア天文学者でも見つけやすい明るいArp銀河のリストを編集した。このリストの銀河は、特別な道具がなくても観察することができる。以下のような銀河が含まれる。
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