ウォーバーグ研究所
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ウォーバーグ研究所(ウォーバーグけんきゅうじょ、The Warburg Institute)は、人文科学を専門とするロンドン大学の付属研究所で、高名な美術史研究者だったアビ・ヴァールブルクによって設立された[注釈 1]。ルネサンス期の文化史・精神史に関する研究で知られ、とくに20世紀の美術史学に大きな影響を与えた。
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設立年 |
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上位機関 | 高等研究所、ロンドン大学 |
校長 | David Freedberg |
所在地 |
英国 ロンドン |
公式サイト |
www |
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この研究所は1921年、すでにルネサンス美術の研究家として知られていたアビ・ヴァールブルク(1866-1929) によってドイツのハンブルクで創設された[1]。裕福なユダヤ人銀行家の一族に産まれた彼は、ルネサンス美術と向き合うさいに精神史と文化史を融合する独自のアプローチを開拓し、その研究のために膨大な書籍や視覚資料を収集していた(一家の相続権を放棄する代わりに、書籍の購入など生涯を通じた研究費用を、一族に対して保証させたと言われる)[2]。これを友人のフリッツ・ザクスル(英語版)に委託、公共の研究機関として開放したのが現在のウォーバーグ研究所の母胎となっている[3]。
図書室を中心とするこの組織はヴァールブルクの死後も活動を続けていたが、ナチスの台頭とともに存続が危ぶまれるようになり、1933年、6万冊にのぼる蔵書や資料がロンドンへ移された。1944年からはロンドン大学の付属研究所の一つとして運営されている[1]。
現在35万冊にのぼる蔵書は一部の希少図書をのぞいて開架書庫に並べられており、研究者には無料で開放されている。蔵書はヴァールブルクがハンブルクで進めていた収集方針を踏襲し、美術史関連から政治史・社会史を含めた、あらゆる人文領域の書籍が収められている[4]。また書籍に加えて、ヴァールブルクが残した自筆のメモや原稿類、彼が収集していた写真・版画などの視覚資料コレクションも保管されている。
現在は研究者のほか司書やアーカイブスの管理担当者を置き、学術誌の発行や、幅広い題材を扱う講演会・シンポジウムの開催、若い研究者のフェローシップ主宰など、芸術学の振興拠点として活発な活動を続けている[5]。