ウポル島
サモアの本島 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
ウポル島(Upolu)は、南太平洋のサモア独立国にある海底火山による玄武岩によって形成された島。
島の長さは東西に長く約75km、面積は1,125km2。国の人口の大半が住む同国で最も人口が多い島である。島の西端にはファレオロ国際空港があり、首都アピアは島の北部に位置している。隣のサバイイ島と異なり、ウポル島では火山の爆発の記録は残っていない。
島中部の火口湖のラノトオ湖(英語版)周辺のラノトオ湖国立公園(英語版)からはヴァイシガノ川(英語版)とフルアソウ川が流下し、特にフルアソウ川は首都アピアの重要な水源である。南部のオ・レ・ププ・プエ国立公園(英語版)は1978年に設立された南太平洋地域最初の国立公園であり、島中央部のフィト山(英語版)からマタロア川とヴァーレガ川流域を経て、南海岸の断崖まで広がる。島を覆う熱帯林にはオオハシバト、ハシグロオオミツスイ(英語版)などの絶滅危惧種およびサモアカラスモドキ(英語版)、キビタイモズヒタキ(英語版)、サモアヒラハシ(英語版)、サモアナキサンショウクイ(英語版)などの固有種の鳥類が生息しており、固有種のヤシのClinostigma samoense(英語版)も見られる。東部のヴァイプ沼一帯にはサモア国内最大規模の沼地林と低地雨林があり、オオハシバトや固有種のカタツムリのEua expansa(英語版)、Samoana conica(英語版)、Succinea putamen(セブアノ語版)などの動物とタイヘイヨウクルミ(英語版)、Pandanus turritus(スウェーデン語版)などの植物が生息している[1][2][3]。ラノトオ湖国立公園、オ・レ・ププ・プエ国立公園とヴァイプ沼保護区はラムサール条約登録地である[1][2][3]。
18世紀後半から19世紀前半にかけて、島はOjalavaやOjolavaと呼ばれていた。19世紀後半、ロバート・ルイス・スティーヴンソンは島に400エーカーの農園を所有し、1894年に当地で亡くなった。
2009年9月29日朝6時48分頃、アピアの南方約195kmを震源として、マグニチュード8.0の地震が発生(2009年サモア地震)。ウポル島南東部を約10mの津波が襲い村が壊滅的な被害を受け死者が多数などの被害が生じた[4]。
アウトボードエンジンによる珊瑚礁外のマグロやカツオ漁の技術指導など、昭和40年代後半より国際協力事業団傘下の青年海外協力隊による支援が続いている。