国家について
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『国家について』[2](羅: De re publica、『国家論』[3]とも)は、古代ローマのキケロの著作。前51年成立[3]。プラトン『国家』に倣い、小スキピオを主人公とする対話篇の形で、共和主義・混合政体などの国家論・政治哲学を説く。
全6巻だが、現存するのはその3分の1程度の断片である。これは後世のアウグスティヌスやラクタンティウスによる逸文の引用や、1819年に発見されたパリンプセストを通じて伝わる。
とくに第6巻の「スキピオの夢」(羅: Somnium Scipionis)と呼ばれる、小スキピオが見た宇宙論的な夢を述べる箇所は、5世紀のマクロビウスによる注釈書『スキピオの夢注解』を通じて伝わり、中近世ラテン世界で盛んに読まれた。