スーパー・スプレッダー
病原体感染者のうち、より多くの二次感染を引き起こす者 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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スーパー・スプレッダー(英: super-spreader)[1][2][3][4]は、感染症を引き起こす病原体に感染したホストのうち、通常考えられる以上の二次感染例を引き起こす者を指す。スーパー・スプレッダーは、自分以外の多くの人へ感染を拡大させることから、感染症コントロール・感染症疫学上での大きな懸念材料となる。またスーパー・スプレッダーによる多数の感染例を、「スーパー・スプレッディング[—現象/事例]」と呼ぶこともある[5][6][7][8]。
スーパー・スプレッダーの存在はパレートの法則(80:20の法則)に従うとされ[9]、この場合20%の感染者が他80%への感染に関与していることになるが、スーパー・スプレッダーの関与割合はこれより高いことも低いこともある[10]。ある感染症でスーパー・スプレッディング現象が発生している場合、コンタクト・トレーシング(接触者追跡)をしても、往々にして多くの感染者は二次感染をほとんど起こしていない。
スーパー・スプレッディング現象は、集団免疫の低下、院内感染の発生、病原体側の病原性の強さ (virulence) 、ウイルス感染価(英語版)、誤診、飛沫感染、免疫抑制、また他の病原体との重複感染など、複数の因子が重なって発生するとされる[11]。
この現象は、2002年から2003年に発生した重症急性呼吸器症候群 (SARS) の流行時に大きく注目されたが、不顕性感染のまま腸チフスを拡散させ続けたメアリー・マローン(「チフスのメアリー」)など、古くからもその例はいくつか存在する[2][12]。