ソフトベンダーTAKERU
ウィキペディア フリーな encyclopedia
ソフトベンダーTAKERU(ソフトベンダー・タケル)は、1986年に日本のブラザー工業の安友雄一が中心となって開発した、世界初のパソコンソフトの自動販売機。本サービスは、自動販売機を通じてフロッピーディスクにゲームのデータを書き込むという仕組みで知られている。サービスの運営は、当初ブラザー工業TAKERU事務局が行い、自動販売機のほか郵便での通信販売も行っていたが、1994年5月21日にJOYSOUNDを運営している子会社のエクシング 通信システム事業部に業務移管され[1]、1997年2月に全サービス終了[2]。
1985年にテスト機SV-2000[注 1]15台でスタートし、1986年4月21日にソフトベンダー武尊として正式にサービスを開始した。1986年に2代目のSV-2100が導入され16ビットパソコンに対応、3代目は NEW TAKERU という名称のSV-2300が1991年春から夏にかけて導入された。
稼動を開始した当時はまだ8ビット御三家など8ビットパソコン全盛の時代であり、パッケージソフトウェア販売がパソコンゲームを含むソフトウェア全般の販売経路の主流だった。その頃にいち早く「自動販売機」という形でオンライン販売を開始したTAKERUは、パソコン通信ですら「趣味人(マニア)の特殊な行為」だった時代に、全く新しい流通形態を築こうとした先駆的業態である。
その一方で、サービス展開当初から高額な通信費やラインナップの貧弱さといった課題に悩まされてきており、2000台の設置を目標としていたものの、設置台数は最盛期でも300台だった[3]。