チップジェット
ウィキペディア フリーな encyclopedia
チップジェット(Tip jet)は、主回転翼(メイン・ローター)の各々の羽根(ブレード)翼端に噴射口を持ち、その噴出の反作用を用いて、主回転翼の駆動を行う機構のヘリコプターの回転翼の駆動型式。翼端噴流式とも呼ばれる。
チップジェットは通常の駆動軸による回転翼の駆動方式に対して主回転翼の反作用( トルク )が発生しない。[1]という長所がある。
この為に通常の駆動軸方式に較べて有利であり、テールローターが必要ない。
幾つかのチップジェットはエンジンが回転翼と分離されていて圧縮機にて作成した圧縮空気を配管で回転翼の先端の噴出口まで導くことで回転する。〔 冷風チップジェット、コールド・サイクル機構 〕
他の形式では上記の機構により生じた圧縮空気と燃料を混合して燃やした時の噴流の反動で回転する。〔 アフターバーナー式・冷風チップジェット 、チップバーナー式 〕
また、ターボジェットエンジンや、ターボファンエンジンの圧縮空気と燃料の燃焼で生じた高温高圧の排気ガスを耐圧・耐熱配管で回転翼の先端まで導く型式もある。〔 ホットサイクル機構 〕
また、回転翼先端にラムジェットやターボジェット形式のエンジンを設置した(機体本体または胴体の)外部設置式のチップジェットも存在し、同様に外部設置式のロケット推進で回転翼を回転させる形式もある。
外部にエンジンのあるチップジェットの優位な点は慣性モーメントを保持できる事で運動エネルギーを蓄えることが出来るのでオートローテーションによる着陸が容易になる。しかしながら、外部設置式チップジェットエンジンは空気抵抗が大きいのでエンジン停止は致命的である。 ( 詳細は後述の チップジェット#欠点 を参照されたい。 )
キャサリン・ホイール (アレクサンドリアのカタリナの車輪の意味。日本語の 車花火、回転花火、ねずみ花火 に相当 ) に視覚的な回転動作の形状が類似 ( 特に夜間飛行時 )している。