チョウザメ科
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チョウザメ科(学名:Acipenseridae)は、チョウザメ目に分類される科。いわゆる古代魚とされる分類群の1つである。
チョウザメ科 | |||||||||||||||||||||||||||
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シロチョウザメ Acipenser transmontanus | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Acipenseridae Bonaparte, 1831 | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Sturgeon | |||||||||||||||||||||||||||
属 | |||||||||||||||||||||||||||
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最古の化石は白亜紀後期に遡り、約1億7,400万年から2億100万年前のジュラ紀前期の初期のチョウザメ目の子孫である。ヘラチョウザメ科と並び、現存するチョウザメ目の2科の1つである。本科にはチョウザメ属 Acipenser 、ダウリアチョウザメ属 Huso、Scaphirhynchus、およびPseudoscaphirhynchusの4属が分類されている。A. naccarii とチョウコウチョウザメの2種が野生絶滅、P. fedtschenkoi は完全に絶滅した可能性がある[1]。ユーラシアと北アメリカの亜熱帯、温帯、亜寒帯の川、湖、海に生息する[2]。モロッコで発見されたマーストリヒチアンの化石から、かつてアフリカにも分布していたことが分かっている[3]。
長命で成長は遅く、尾鰭はサメのような上葉の長い二又の異尾、肌は滑らかで、横方向に5列の硬鱗が並ぶ。非常に大型の種が含まれ、多くは通常2 - 3.5 mだが、1827年にヴォルガ・デルタ(英語版)で体長7.2 m、体重1,571 kgのオオチョウザメの雌が捕獲されている。多くは遡河魚で産卵の時期には上流に移動し、通常は三角州や三角江で底生生物を摂食して生活する。淡水のみに生息する種や、沿岸部に生息し、外洋に進出する種もいる。
いくつかの種類の卵が採取され、高級食材であるキャビアに加工される。これが深刻な乱獲につながり、その他の脅威と相まって、ほとんどの種が絶滅危惧種や近絶滅種とされている。
なお、チョウ「ザメ」という名称はその形状がサメに似ていることによるが、実際は硬骨魚類に属するため、軟骨魚類に属するサメとは系統が大きく異なる。
チョウザメ(スタージェン・蝶鮫・鱘魚・英語:sturgeon スタージョン/ˈstəːdʒ(ə)n/[4])の名前の由来は諸説あり、体表にある硬鱗が昆虫の蝶の形をしており、全体的な形が海にいる鮫に似ていることから、「チョウザメ」と名付けられた。漢字表記(蝶鮫以外)では、「鱘魚」(魚偏に尋)と表記する。また、英名カナ読みの「スタージョン」が使われる場合もある。アイヌ語では「ユペ」と呼ばれ、他に「オンネチェプ」(道東部。老大魚の意)、「カムイチェプ」(神の魚)、「ビシュルカムイ」(鋲をもつ神魚)などの名を持つ[5]。