ツタンカーメンのマスク
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ツタンカーメンのマスクとは、古代エジプト第18王朝のファラオ、ツタンカーメン(在位紀元前1332年-1323年)の黄金のマスクである。1925年に、ハワード・カーターによって王家の谷の墳墓KV62で発見されたもので、現在は、カイロのエジプト考古学博物館に収蔵されている[4]。このマスクは、世界でもっともよく知られた芸術作品の一つである[5]。
概要 ツタンカーメンのマスク, 材質 ...
ツタンカーメンのマスク | |
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材質 | 大量の金, ラピスラズリ, 紅玉髄, 黒曜石, ターコイズ 及び 粉末ガラス[1] |
寸法 | 54 × 39.3 × 49 cm |
文字 | 古代エジプト象形文字 |
製作 | 紀元前1323年頃 |
発見 | 1925年10月28日[2] |
所蔵 | エジプト考古学博物館、カイロ |
識別 | Carter no. 256a; Journal d'Entrée no. 60672; Exhibition no. 220[3] |
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マスクはエジプト神話の来世の神であるオシリスに似た顔を持ち、高さ54センチメートル、重量10キログラム超、または、321.5トロイオンスで、半貴石で飾られている。マスクの両肩部分には、『死者の書』にある古代の呪文が神聖象形文字で刻印されている。マスクは、下方に伸びた重量2.5キログラムのあごひげが脱落し、博物館の作業員が応急で接着した後、2015年に修理しなければならなかった。
エジプト学者ニコラス・リーヴス(英語版)によれば、このマスクは、「ツタンカーメン王墓における精髄であるのみならず、おそらく古代エジプトそれ自体において、もっともよく知られた工芸品である」[5]。2001年以来の研究では、マスクは元々は、女王ネフェルネフェルウアトン[6][注釈 1]のために制作されたものと考えられる。彼女の王号(アンクケペルウレー、Ankhkheperure)が、マスクの内側部分にある、部分的に消去されたカルトゥーシュのなかに見いだされた[7]。