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フォンティーナ

イタリアのDOPチーズ ウィキペディアから

フォンティーナ
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フォンティーナ (イタリア語:Fontina[6]、フランス語:Fontine[7]) はイタリアで生産される、牛乳を原料としたセミハードタイプのチーズである。アルプスにあるヴァッレ・ダオスタ州で作られている。豊富に生えている牧草だけを飼料として与えることで、独特な香りを放つ最高のチーズが取れると言われている[8]。フォンティーナはヨーロッパの法律の下でDOPの認定を受けている。

概要 フォンティーナ Fontina, 分類 ...
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来歴

名称の由来は諸説あり、山の牧草地の名前 “Fontin”、“Fontinaz” なる村の名前、あるいは人物の姓によるとされる[9]。記録に残るフォンティーナの初出は1270年のラテン語文書であるが、これはチーズではなく地名としての文脈で用いられたものであった[9]イソーニュ城英語版に残る1480年のフレスコ画にはフォンティーナのようなチーズが山積みになっている姿が描かれている(下図参照)[9]。確実にチーズとしてのフォンティーナの言及を確認できるものは1700年の資料まで待たねばならない[9]1996年EU原産地名称保護制度におけるDOP認定を受けた[6]。2016年にウォール・ストリート・ジャーナルが選んだA-to-Zのチーズ26選に取り上げられた[10]

生産

アオスタ渓谷で作られ、原料乳は1日2回の搾乳を行うが、それぞれを混ぜず殺菌もせず使う[10][11]。1年を通して作られるが、夏の間に最高では標高2500メートルにも及ぶ山で牛の放牧を行う[12]。このように夏場の6月から9月の間に牛を山で放牧して作られたものはアルペッジオと呼ばれ、至高とされる[3][1]。文字”FONTINA”を含むマッターホルンの組合のスタンプにより、アオスタ渓谷のフォンティーナであると確認できる[4]

味と食べ方

フォンティーナの中身の45%は乳脂肪である[13]。チーズの内部は淡いクリーム色で「目」と言われている穴がある[14][15]

土、キノコ、木のかおりがすると言われ、ロースト肉やトリュフと良くあう。 濃厚なうまみとともにナッツや蜂蜜の風味も感じられ、熟成により豊かでクリーミーな味わいが増す[13][3]

若いフォンティーナはとても柔らかく、よく溶ける[16][17]。熟成が終わる冬頃、チーズフォンデュ的な地元の名物料理、フォンドゥータに使うのが最もよい[18]。フォンデュータ・アラ・ヴァルドスターナ(イタリア語)もしくはフォンデュ・ア・ラ・ヴァルドテーヌ(フランス語)はフォンティーナに牛乳、卵とトリュフを混ぜた伝統的な料理である[19]。熟したフォンティーナはハードチーズになる[16]。テーブルチーズとして食べることもできる[15]。パン粥やポレンタに入れてもいいし、茹でたジャガイモと一緒にオーブンで焼いてみてもよい[1][3]。酒なら地元の白ワイン、ヴァッレ・ダオスタ (Valle d'Aosta) が合う[1]。野生のチェリーとトリュフの風味がする赤ワイン、ネッビオーロと良く合う[13]

Thumb
イソニェ城の1480年のフレスコ画。右側のチーズは、フォンティーナの最古の描写であると考えられている。

派生製品

ほかの多くのチーズ同様に、「フォンティーナ」という名前は「フォンティネッラ」や「フォンタル」「フォンティーラ」などのような類似するチーズにより乱用されている[5]

アオスタ渓谷のものは唯一のオリジナルで最も有名なものだが、派生生産はイタリアのほかの場所や、デンマークスウェーデンケベック州フランスアルゼンチン、アメリカでも行われている[13]

アオスタ渓谷オリジナルのフォンティーナは刺激的なにおいときつい風味があり、ほかの国で生産されているものはもっと穏やかな風味である。スウェーデンとデンマーク産のものはアメリカの食料雑貨店でよく売られているが、赤いワックスの皮があるためアオスタ産のものと区別できる(これもアルゼンチンフォンティーナでも流行している)。 アオスタ産のフォンティーナは熟成により自然に皮ができる。通常、黄褐色からオレンジがかった褐色である[4][5]

脚注

外部リンク

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