レトロニム
古い概念を新しい概念から区別して呼ぶために新しく作られた単語 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
レトロニム(英語: retronym)あるいは再命名(さいめいめい)とは、ある言葉の意味が時代とともに拡張された、あるいは変化した場合に、古い意味の範囲を特定的に表すために後から考案された言葉のことを指す[1]。
一例を挙げれば、カメラにおいてデジタルカメラの出現により従来型の銀塩写真カメラを「フィルムカメラ」と呼ぶようになったり、ビデオカメラの登場により写真撮影を主目的とするカメラを「スチルカメラ」と呼ぶようになるという現象である。
「レトロニム」という単語は、「過去」を意味する「レトロ(retro)」と「語」を意味する接尾辞 (-onym) の合成による[2]。1980年にナショナル・パブリック・ラジオ局長の Frank Mankiewicz が造語し、コラムニストのウィリアム・サファイアが、ニューヨーク・タイムズの中で使用したことで広まった[3][4]。
日本語の「再命名」という用語は、1976年に鈴木孝夫が『日本語の語彙と表現』の中で用いている[5]。これは「レトロニム」に先立つ用語である。
個別の例については「レトロニム一覧」を参照