ヴァイオリン協奏曲第3番 (サン=サーンス)
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ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調作品61は、カミーユ・サン=サーンスの最後のヴァイオリン協奏曲で、ロマン派音楽における重要なヴァイオリンと管弦楽のための協奏的作品の一つ。1880年に完成され、初演者のパブロ・デ・サラサーテに献呈された。
「序奏とロンド・カプリチオーソ」や「ハバネラ」と並び、多くのヴァイオリニストに愛奏されてきた。旧作ほどヴァイオリンの演奏技巧を前面に押し出してはおらず、それでいて音楽的な充実は増し、旋律の創意や表現の巧みさにおいてまさっている。このような特質がとりわけ端的に示されているのが、静謐な緩徐楽章であり、また終楽章における自信に満ちた力強いコラールである(後者は《ピアノ協奏曲第4番》の壮麗な終結の名残ともいえる)。