劣生学
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劣生学 (れっせいがく、英語: dysgenics) は、遺伝に悪い影響を与える要因を研究する学問である[1][2][3]。種属退化学 (cacogenics) とも言う[4]。
この学問の名称として用いられている形容詞"dysgenic" (劣生の)は"eugenic" (優生の)の反意語である。これは最初に1915年ころデイビッド・スター・ジョーダンによって、第一次世界大戦の劣生的影響とされるものを記述する際に使用された[5]。ジョーダンは、近代戦においては身体的に健常な男性が死亡する一方で、身体障害者は家に残される傾向があるため、集団レベルの遺伝的特性に悪影響を及ぼすと考えた[6]。
また、リチャード・リンは、著作"Dysgenics:Genetic Degradation in Modern Populations"(1996年)のなかでヒト集団における劣生学的影響に関する懸念を述べた。ただし、ヒト集団において劣生学的影響が生じることを示す根拠は、実際には報告されていない[7][8][9]。