呪物崇拝
ウィキペディア フリーな encyclopedia
呪物崇拝 (じゅぶつすうはい、英語:Fetishism,フランス語:Fétichisme) とは、フェティッシュ(呪物または物神)に対する崇拝を意味し、呪術的宗教の一つの形態である。
未開社会、古代社会、未開宗教にみられる信仰で、呪物が人間に禍福をもたらすと信じて儀礼の対象とすることである[2][3]。人工物や簡単に加工した自然物に対する崇拝の総称とされている[4]。アニミズムとも深い関わりを持つ[5]。
死霊や精霊など人格的な霊魂と結びついた呪物の崇拝を霊物崇拝、非人格的な呪力と結びついた呪物の崇拝を呪物崇拝として区別することがあるが、通常はこの両者を含めて呪物崇拝あるいはフェティシズムとよんでいる[6]。
ハッドンは神の象徴である偶像を神の容器ではないとし、呪物崇拝と偶像崇拝とを区別した[6]。
崇拝の対象となるフェティッシュとは、超自然的な力[要曖昧さ回避]を備えていると信じられる自然物(石とか植物の種子)で、とりわけ、人間が造った物品で、普通の製作品を凌駕する、圧倒的に大きな超自然的な力を備えるもののことである。フランス語のフェティシュ(fétiche)から来ているが、この語はポルトガル語の「フェイティソ(呪符・護符 feitiço )」から転用された語で、更に遡ると、「製作する」という意味のラテン語の動詞 facere から派生した形容詞 facticius、すなわち「人工の(もの)」が元々の語源にある[7]。