大智度論
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『大智度論』(だいちどろん、梵: Mahā-prajñāpāramitā-śāstra, マハー・プラジュニャーパーラミター・シャーストラ)は、大乗仏教中観派の祖である龍樹による『摩訶般若波羅蜜経』(大品般若経、二万五千頌般若経、梵: Mahā-prajñāpāramitā Sūtra)に対する百巻に及ぶ注釈書である。初期の仏教からインド中期仏教までの術語を詳説する形式になっているので、仏教百科事典的に扱われることが多い。漢訳は鳩摩羅什による(402-405年、大正蔵No.1509)。
題名の「智度」(ちど)とは、「六度」(六波羅蜜)の内の「智慧波羅蜜」、「般若波羅蜜」(prajñāpāramitā)のこと。「智」は「智慧」すなわち「般若」の、「度」は「渡」と同じで「彼岸に渡ること」すなわち「波羅蜜」の意訳である。[1][2]。つまり、「大-智度」とは「摩訶-般若波羅蜜(Mahā-prajñāpāramitā)」(経)の意訳であり、「大智度論」(Mahā-prajñāpāramitā-śāstra)という題名は、そのまま「『摩訶般若波羅蜜経』(Mahā-prajñāpāramitā Sūtra)についての論」の意である。
以上のごとく、『大智度論』という意訳的な漢訳題名は直感的に分かりづらいので、より原題に素直に『摩訶般若波羅蜜経釈論』『摩訶般若釈論』の名で呼ばれたりもする[3]。