小南トンネル
奈良県黒滝村と天川村の境目にあるトンネル / ウィキペディア フリーな encyclopedia
小南トンネル(こみなみトンネル)は、奈良県吉野郡黒滝村と天川村の境目に位置する奈良県道48号洞川下市線の小南峠にあるトンネル。小南峠隧道(こみなみとうげずいどう)ともいう。後年に両坑口と中央の一部がコンクリートで補強されているが、内部は岩がむきだしの素掘りのままで建設当時の鑿の跡が残る。有効高2.3m、長さ110m、内部は照明設備もない小さいながら野趣あふれるトンネルである[1]。トンネル口(黒滝村側)の少し下った場所は木々が開けて景色がよい。
両坑口に隧道名を示すものは設置されていないが、かつては隧道の入口の上に3つの石に「山上街」「道小南」「峠隧道」と(右から左への)横書きに刻まれた扁額がはめられていた[2]。『黒滝村史』には扁額の石が道脇に置かれている写真がある。この扁額は所在不明となっていたが2013年(平成25年)の奈良県による近代化遺産調査[3]の際に「峠隧道」の部分が、黒滝村側斜面に埋もれているのが発見された[1]。
毎年12月から翌年3月までは冬期通行止めを実施しているが、隧道内壁に亀裂や剥離が発見されたため2012年(平成24年)6月11日より通行止めとなっておりコンクリート吹付けによる補修が行われる予定[1][4]。