後宮からの誘拐
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『後宮からの誘拐』(こうきゅうからのゆうかい、ドイツ語:Die Entführung aus dem Serail)K.384は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1782年に作曲した三幕からなるドイツ語オペラである。日本では『後宮からの逃走』とも呼ばれる(タイトルの日本語訳を参照)。
クリストフ・フリードリヒ・ブレッツナーが前年に発表した戯曲「ベルモンテとコンスタンツェ、または後宮からの誘拐 Belmont und Constanze, oder Die Entführung aus dem Serail 」を、ゴットリープ・シュテファニーが改作したものによる(ただし、シュテファニーはブレッツナーに無断で改作して曲を付けさせたため、ブレッツナーから激しく抗議された)。オペラの筋は、主人公ベルモンテが召使ペドリッロの助けを借りながら、恋人のコンスタンツェをトルコ人の太守セリムの後宮(ハレム)から救い出すというもの。モーツァルトの5大オペラのひとつとして高い人気を誇る。中ではもっとも若い時期の作であり、溌剌としたリズムと親しみやすいメロディにあふれ、標準的な台詞をふくめた上演時間もやや短めである。