徹夜祷
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徹夜祷(てつやとう)とは、正教会の奉神礼:晩祷のうち、大晩課と早課と一時課を組み合わせた形式を持つ公祈祷である。現在ではスラヴ系正教会で一般的な形式であるが、ギリシャ系正教会では行われない。これはスラヴ系正教会とギリシャ系正教会がそれぞれの奉神礼伝統の基盤とした修道院が、異なる系統の伝統を保持していたことに由来する(かつて中世にはギリシャ系正教会でも行われた時代があったが、すぐに廃れた)[1]。主日(日曜日)の前晩(土曜日の晩)、祭日の前晩に行われる。日本ハリストス正教会はスラヴ系の伝統を承継しており、徹夜祷を行っている。
永眠者のために行われる奉神礼であるパニヒダの語源は「徹夜の祈り」という意味であり、これを「徹夜祷」と誤まって呼ぶ事例が散見されるが[2]、正教会ではパニヒダを徹夜祷とは呼ばない。
「パニヒダ」も参照