抒情歌 (小説)
ウィキペディア フリーな encyclopedia
『抒情歌』(じょじょうか)は、川端康成の短編小説。川端が新境地をみせた初期の代表作の一つで、川端の死生観がよく示されている作品である[1][2][3]。また、川端自身が「最も愛してゐる」作品の一つでもあり[4]、川端文学の基本的なものを内包している重要作品でもある[5][6]。
概要 抒情歌, 訳題 ...
抒情歌 | |
---|---|
訳題 | Lyric poem |
作者 | 川端康成 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 短編小説 |
発表形態 | 雑誌掲載 |
初出情報 | |
初出 | 『中央公論』1932年2月号(第47年第2号) |
挿絵 | 高井貞二 |
刊本情報 | |
刊行 |
竹村書房 1934年12月25日 装幀:木村荘八 |
収録 |
『化粧と口笛』 新潮社 1933年6月26日 装幀:妹尾正彦 |
ウィキポータル 文学 ポータル 書物 | |
テンプレートを表示 |
閉じる
ある霊感の強い女人が恋人に捨てられ、彼の死を知り、その苦悩や失意の中で「輪廻転生の抒情詩」に救いを求める愛と死の物語。嫉妬や呪詛、悲しみの末、禽獣草木、天地万物のうちに愛する人や自身を見出し、霊の国や冥土、来世で愛する人の恋人になるよりも一つの花になりたいという汎神論的心境に思い至るまでの詩的な心の軌跡が、霊のモチーフで神秘的に描かれている[2][7]。