新安全閉じ込め構造物
1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故で損傷した原子炉を封じ込めるための構造物 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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新安全閉じ込め構造物(NSC:New Safe Confinement または新シェルターとも呼ばれる)は1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故で損傷した原子炉を封じ込めるための構造物である。第一目標は原子炉建屋からの放射性物質の漏洩を防ぐこと、第二目標は将来的に旧閉じ込め構造物(石棺)の部分解体を可能にすることである。
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チェルノブイリシェルター基金(英語版)が資金拠出するシェルター構築計画(SIP:Shelter Implementation Plan)において、NSCは事故後に除染作業員たちによって突貫工事で建設された石棺に代わって4号機に残された放射性物質を向こう100年に渡って封じ込めるように設計されている。
NSCの第一目標は固体放射性廃棄物を外部環境から隔離することであるため、「閉じ込め("confinement")」という言葉が使われている。これは、「封じ込め("containment")」という言葉が原子炉格納容器(reactor containment building)など放射性気体を隔離する意味で用いられており、これと明確に区別するためである。
NSCの設計および建設はフランスの建設会社であるヴァンシとブイグが折半出資して設立したコンソーシアム、ノヴァルカが請け負い[1]、2017年に完工予定である。建設資金はチェルノブイリ廃炉基金の幹事を務める欧州復興開発銀行(EBRD)が集めたが、完工までには1億ユーロ不足するという指摘もあった。
新安全閉じ込め構造物は、旧閉じ込め構造物および損壊した原子炉の残骸を安全かつ環境に影響を与えないよう隔離すべく設計されている。シェルター構築計画には2017年末の完工までに総額21億5千万ユーロ(30億9千万ドル)が必要とみられており、NSCだけで15億ユーロ(21億5千万ドル)に上る[2]。