有機ヨウ素化合物
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有機ヨウ素化合物(ゆうきヨウそかごうぶつ、Organoiodine compound)とは、少なくとも1つ以上の炭素 - ヨウ素結合を持つ有機化合物のことである。有機合成化学では広く用いられるが、自然界で生じることはあまり無い。ホルモンの一つであるチロキシン(サイロキシン)は人体に必須な有機ヨウ素化合物である。
C-I結合は他の炭素-ハロゲン結合の中では最も弱い。これはヨウ素が他のハロゲンに比べて電気陰性度が最も小さく、原子半径が最も大きいことによる。CH3X(X=F, Cl, Br, I)を例にすると、それぞれの結合解離エネルギーは115, 83.7, 72.1, および 57.6 kcal/molとなる[1]。これらのことから、他のハロゲン基に比べてヨウ素基は優秀な脱離基であると言える。この他、有機ヨウ素化合物は密度が大きいことでも知られている。例えば、ジヨードメタンの密度は 3.325 g/cm3である。