植物園
ラベル付けされた広範囲の植物を収集、 栽培 、保存および展示するための施設 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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植物園(しょくぶつえん、英語:botanical garden, botanic garden[nb 1])とは、単なる庭園ではなく、英語を直訳すれば「植物学庭園」となるように、大学や研究機関が植物学研究のために用いる植物(花卉・樹木)を、収集・分類・栽培し、さらにそれらの標本(押し葉標本など)を保管するための施設である。したがって、植物園は狭義の庭園(圃場)だけでなく、植物標本館(ハーバリウム)も園内に有する。
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植物園は多くの機能をもつ(#役割と機能)。とりわけ遺伝資源収集の拠点、すなわち種子銀行として役割が大きい。一定の専門性をもつ植物園もあり、薬草(薬用植物)や香草のための薬園・ハーブ園、あるいは帰化植物や世界各地の植物、例えばサボテンなどの多肉植物、熱帯植物、高山植物などを栽培するための温室・日よけなどを備える場合もある。植物園は、公園と同様の憩いの場、あるいは観光施設として市民に開放されていることもあり、ツアー、教育展、美術展、図書室、野外演劇や演奏会のための場を提供することもある。環境保全(保全生態学)や持続可能性についての啓発活動が行われることもある。
植物園の歴史は極めて古い(#歴史的発展)。西洋の植物園の起源は、古代ギリシアのテオプラストス(アリストテレスの友人)によってつくられたリュケイオンの庭園にさかのぼり、その性質は現代の植物園と必ずしも異ならない[1]。近代的な植物園の原型は、ルネサンス期の16世紀、イタリアのピサ大学に併設された植物園(ピサ植物園)にさかのぼる。18世紀後半、帝国主義が世界を席巻するなかで、プラントハンターによって世界各地の植物がヨーロッパに集められ、特にイギリスの、ロンドン近郊のキューにある王立植物園(キューガーデン)が中心地となった。