海進
海面上昇または陸地の沈降によって海が広がること / ウィキペディア フリーな encyclopedia
海進(かいしん、英: marine transgression)は、海面が陸地に比べて上昇し、海岸線が内陸に移動する地質学的現象である。その結果、それまでの陸地は水没する。対義語は海退で、それまで海面下だった場所が陸地となる。
海退と海進は、陸地の隆起と沈降、海水の減少や増加、海自体の容量の増減などが原因となる可能性がある。その原因のさらなる原因としては、造山運動などの地殻変動、氷河期などの大規模気候変動、それに氷や堆積物の有無によるアイソスタシーによる変動などがありえる。
たとえば、白亜紀に起きた海洋底拡大では、比較的浅い大西洋が形成され、その分、比較的深い太平洋(パンサラッサ)が縮んだ[1]。その結果、世界の海盆の総容量が減少し、世界的な海面上昇が引き起こされた(白亜紀海進)。海面上昇の結果、海は北アメリカの中央部を完全に横切り、メキシコ湾から北極海にかけて西部内陸海路を形成していた。
更新世の氷河時代には、氷河の形で大量の水が陸地に滞留したため、海水の総量が減少し、大規模な海退が起きた。海水面は120メートルも低下して、アラスカとアジアを繋ぐベーリング陸橋が存在していた。