火宅の人
檀一雄による長編小説、およびそれを原作とした深作欣二監督による1986年の映画 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『火宅の人』(かたくのひと)は、檀一雄の長編小説で遺作。『新潮』1955年11月号より20年にわたり断続的に連載された[1][注 1]。1975年に新潮社で単行本が刊行(現:新潮文庫(上下)、改版2003年)。没後に第27回読売文学賞(小説部門)と、第8回日本文学大賞を受賞した。全集を含めると150万部を超す檀の最大のヒット作[2]。
1977年に日本テレビが山田信夫脚本でテレビドラマ化の準備を進めていたが[3]、遺族の反対で急遽製作中止になり[3]、1979年になって同じ日本テレビが山田脚本でテレビドラマ化した。1986年には東映で映画化。1987年4月6日放送の『NHK特集 命もえつきる時 作家檀一雄の最期』(語り草野大悟)では、作品完成に向け苦闘する作者の姿が口述筆記の録音テープと共に紹介された。
「火宅」とは、仏教説話(正確には「法華経 譬喩品」より)の用語で、「燃え盛る家のように危うさと苦悩に包まれつつも、少しも気づかずに遊びにのめりこんでいる状態」を指す。