花ざかりの森
三島由紀夫の短編小説 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『花ざかりの森』(はなざかりのもり)は、三島由紀夫の短編小説(中編小説とみなされることもある[1])。全5章から成る。三島が16歳の時に執筆した作品で、校外の全国同人誌に掲載され、公に出版された初めての小説である。話者である「わたし」の祖先をめぐる4つの挿話から成り、一貫したストーリーというものはなく、祖先への強い憧れとアンニュイな雰囲気が漂う追憶と観念的な挿話が断片的に織りなされている詩的な作品である。最後の文章は澄んだ「静謐」を描いていて、三島の遺作『豊饒の海』のラストを思わせるような終り方となっている[2][3][4]。
概要 花ざかりの森, 作者 ...
花ざかりの森 | |
---|---|
作者 | 三島由紀夫 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 短編小説、中編小説 |
発表形態 | 雑誌連載 |
初出情報 | |
初出 | 『文藝文化』1941年9月号-12月号 |
刊本情報 | |
出版元 | 七丈書院(のち筑摩書房へ統合) |
出版年月日 | 1944年10月15日 |
装幀 | 徳川義恭 |
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エピグラフに、シャルル・クロスの『小唄』の「かの女は森の花ざかりに死んでいつた、かの女は余所にもつと青い森があると知つてゐた」(訳:堀口大學)が使われている[注釈 1]。「花ざかりの森」という題名もこの詩からとられたもので、「内部的な超自然な〈憧れ〉というものの象徴」を意図している[5]。