蘇生措置拒否
ウィキペディア フリーな encyclopedia
蘇生措置拒否(そせいそちきょひ)とは、尊厳死の概念に相通じるもので,癌の末期,老衰,救命の可能性がない患者などで,本人または家族の希望で心肺蘇生措置(CPR)を行わないこととされる[1]。DNR (Do Not Resuscitate)、DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)、DNACPR(Do Not Attempt CPR)との略称がある。(原則として行われる)蘇生措置をあえて行わないため、患者と家族の明確な意思表示が要件となる[2]。
この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2024年3月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
原則的に患者およびその家族のQOL(人生の質、生活の質)を改善するためのアプローチ(緩和ケア)である。回復が不能な状態で一時的に命をとりとめても終末期にある患者には蘇生措置自体が負担になる、処置を行う間に家族が患者を看取る最後の大切な時間を失う、などの理由から、患者の負担と看取りにおける家族の悲嘆の緩和が目的である。
具体的には、終末期医療に於いて心肺停止状態になった際、昇圧剤や心臓マッサージ、気管挿管、人工呼吸器の装着などの蘇生処置を敢えて行わない不作為が行われる。
DNRオーダーがあろうとも、CPR以外のすべてのケアは遅滞なく、そしてすべての患者に適切に実施されるべきである[2]。非経口液の投与、栄養、酸素、鎮痛、鎮静、抗不整脈薬、昇圧薬などの介入は、DNRオーダーで具体的に指示されない限り、自動的に除外されることはない[2]。