走れメロス
太宰治の短編小説 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『走れメロス』(はしれメロス)は、太宰治の短編小説。自分が処刑されることになると承知の上で友情を守ったメロスが、人の心を信じられない王に信頼することの尊さを悟らせる物語。
概要 走れメロス, 作者 ...
走れメロス | |
---|---|
作者 | 太宰治 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 短編小説 |
発表形態 | 雑誌掲載 |
初出情報 | |
初出 | 『新潮』1940年5月号 |
刊本情報 | |
収録 | 『女の決闘』 |
出版元 | 河出書房 |
出版年月日 | 1940年6月15日 |
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太宰の文学作品は前期・中期・後期の3期に分けられるが、『富嶽百景』などとともに、生活が比較的安定していた中期に書かれた作品である[1]。
作品の最後の一文で「古伝説と、シルレルの詩から」と明かされているように、太宰のオリジナルではない。長谷川泉の解説によれば、古伝説とは「ダーモンとピンチアース」であり、シルレルの詩とはフリードリヒ・フォン・シラーの『Die Bürgschaft』のことである[1]。その後の角田旅人の調査により、シラーの『Die Bürgschaft』を小栗孝則が訳した『人質』(『新編シラー詩抄』所収)を下敷きにしたと考えられ、小栗の訳文をほぼそのまま取り込んだ箇所もあることが判明している[2]。だが、新たな場面、人間の弱さ、心理描写、ユーモアや巧みな語りなどを加えており、従来の信実や友情といった権威化した物語を崩した作品となっている[3]。
このシラーの詩にも基があり、ギリシア・ローマからヨーロッパへと連なる長い系譜の末端に位置する作品でもある[4]。