オーラノフィン(Auranofin)とは世界保健機関により抗リウマチ薬に分類されている有機金化合物である。商品名リドーラ。
概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
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関節リウマチ(過去の治療において非ステロイド性抗炎症剤により充分な効果の得られなかったもの)
重大な副作用とされているものは、間質性肺炎、再生不良性貧血、赤芽球癆、無顆粒球症、急性腎不全、ネフローゼ症候群 である[1][2]。(先発品では全て0.1%未満。後発品では全て頻度不明。)
- HIV感染症
- オーラノフィンは、抗レトロウイルス療法後に体性T細胞に潜伏残存しているHIVウイルスを減少させる効果が期待できる[3]。
- アメーバ症
- オーラノフィンは、薬物スクリーニングにおいて、赤痢アメーバの治療薬として、メトロニダゾールよりも10倍強い効果が示された。チオレドキシン還元酵素アッセイの結果を解釈すると、オーラノフィンがマウスおよびハムスターモデルにおける活性酸素媒介殺作用への栄養体の感受性を増強することを示唆している。その結果、寄生体数の著しい低下、侵入に対する炎症反応の増強、肝臓への障害をもたらした[4][5][6]。
先発品はグラクソ・スミスクライン社から販売されていたが、原薬製造工程での承認製造手順が順守されていないおそれがあることが判明し、製品の供給が滞り安定供給が困難であるとして、2015年6月、製造中止が案内された[7]。2016年6月現在、後発品のみが流通している。
- Cochrane review - "Auranofin versus placebo in rheumatoid arthritis"
- Jeon K, Byun M, Jue D (2003). “Gold compound auranofin inhibits IkappaB kinase (IKK) by modifying Cys-179 of IKKbeta subunit.”. Exp Mol Med 35 (2): 61–6. PMID 12754408.
- Kim I, Jin J, Lee I, Park S (2004). “Auranofin induces apoptosis and when combined with retinoic acid enhances differentiation of acute promyelocytic leukaemia cells in vitro.”. Br J Pharmacol 142 (4): 749–55. doi:10.1038/sj.bjp.0705708. PMID 15159275.
- Venardos K, Harrison G, Headrick J, Perkins A. “Auranofin increases apoptosis and ischaemia-reperfusion injury in the rat isolated heart.”. Clin Exp Pharmacol Physiol 31 (5-6): 289–94. doi:10.1111/j.1440-1681.2004.03993.x. PMID 15191400.
- Hafejee A, Winhoven S, Coulson I (2004). “Jessner's lymphocytic infiltrate responding to oral auranofin.”. J Dermatolog Treat 15 (5): 331–2. doi:10.1080/09546630410016924. PMID 15370403.
- Rigobello M, Folda A, Baldoin M, Scutari G, Bindoli A (2005). “Effect of auranofin on the mitochondrial generation of hydrogen peroxide. Role of thioredoxin reductase.”. Free Radic Res 39 (7): 687–95. doi:10.1080/10715760500135391. PMID 16036347.