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人数規模が大きい学校 ウィキペディアから
マンモス校(マンモスこう)とは、児童・生徒の収容人数が多く、規模が大きい学校を指す。教育行政においては「過大規模校」などと呼ぶ場合もある。
マンモス校をかかえる地域では、マンモス校の解消は行政における重要な課題となる。
全校の児童・生徒数がおおむね1000人を超えたり、一学年につき300人を超えたり6学級を超えたりする場合にマンモス校と呼ばれるケースが多い。
なお、文部科学省による学校の規模の分類は次の表のとおりである。
さらに、収容人数に応じ、学校設置基準が定める施設規模を満たすことが出来ない学校についても、実務上はマンモス校と呼んで差し支えない。
第二次世界大戦後、学校教育法の制定により6-3制の義務教育制度が始まり、新制中学校の校舎整備が追いつかず、過剰収容、交代制の2部授業、屋外での青空教室なども行われた。
主に1970年代から1990年代にかけ、都市部や郊外での新興住宅地や団地の新設、さらに団塊ジュニア世代の学齢期も重なりマンモス校が多くみられた。地域に増加した子どもは、既存の公立の小学校や中学校に入学・転入学したため児童・生徒の数が多くなり、臨時にプレハブの仮校舎を建てたり、校舎を増設したり、周辺の学校に児童・生徒を分散させたりしていたが、それでも収容しきれない場合は新規に学校を開設するといったことが繰り返された。
少子化による児童・生徒数の自然減により、マンモス校の数は減ってはいるものの、新興住宅地や高層マンションの建設が盛んな地域(例えば東京23区や神奈川県の一部地域など)では子どもを受け入れる学校の新設や増設が間に合わず、現在でもマンモス校は存在している。また、行政が子育てしやすい街づくりをしている地域などは子育て世代が集まりやすく、子どもが学齢期を迎えると地域の既存の学校がマンモス校化することもある。
新制度の小中一貫校(小学1年から中学3年までを施設一体型で収容する義務教育学校など)の学区が、人口増加地域であるとマンモス校になりやすい。この場合、通常の小学校と中学校の2校分に相当する9学年が同時に転入増加するため、児童・生徒数の見込み予測も難しい事情や、一つの学校の中に体格や機能の異なる小学生と中学生に合わせた異なる規格の施設増設が必要になり、さらには、敷地が足りなくなるなど課題も多くなる。
佐賀県大町町の大町小学校は、杵島炭鉱の最盛期である昭和33年(1958年)に児童数が最大4,069人との記録が残っている。[3]
大阪府堺市では1970年代から1980年代にかけてマンモス中学校が大量に発生し社会問題となった。要因としては、大阪市のベッドタウン化が急激に進んだことに伴う人口の増加と、それに対応するだけの中学校建設財源が確保できなかったことが挙げられる。堺市は財源を確保する目的で臨海部を開発し工場誘致を進めた(堺泉北臨海工業地帯)ものの、今度は公害が問題化する。また、堺市が想定していたほど税収も見込めなかったため、マンモス中学校は放置されたままだった。
鹿児島市立坂元小学校は1974年に生徒数972人で開校して1982年に最大2,245人を数えたが、1985年に学校新設分離により1,220人に、さらに1993年にも新設分離により584人にまでなり生徒人数が適正化されている。
一人一人の児童・生徒の把握や生活指導、学習指導等が困難になる。一人の学校長が把握、校務をつかさどる学校規模にも限界がある。
体育館、プール、校庭、図書室、保健室、遊具、備品等の教育や衛生に供される施設や備品が、児童・生徒の数に比して限りがあり、活動や利用の制限を受けやすい。
対象となる児童・生徒の数が多いためトラブルも多く、守らせるルールも多くなる。その一方で、指導が大雑把になりやすく、威圧的にもなりやすい。
大人数での活動で裾野が広がる可能性は高いものの、部員が過度に多いと活動に支障が出る場合もある。入部が先着順や抽選となる場合や、入部できたとしてもレギュラーや大会に出られる可能性は低くなり、最上級生になっても補欠のままもあり得る。
部員が多過ぎる場合、備品(特に楽器を用いる部活動)や活動する場所(体育館や校庭等)が足りず練習に支障が生じたり制限を受けたり、顧問教員の目が行き届かずに生徒間のトラブル(いじめ、先輩からのしごきや体罰等)も発生しやすい。
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