上河内岳
静岡県・長野県の山 ウィキペディアから
静岡県・長野県の山 ウィキペディアから
上河内岳(かみこうちだけ)は、静岡市葵区と長野県飯田市の境界に位置する標高2,803 mの山である。赤石山脈南部の南アルプス国立公園内にあり[3]、日本二百名山に選定されている[4]。
大井川の支流の上河内沢の源流部の山である。山頂の南西方向に周氷河地形の名残である窪地状の亀甲状土の地形が見られる。周辺は「御花畑」と称する高山植物の群生地となっている。北側の南岳との間にも高山植物の群生地がある。山頂部は森林限界を越えた岩場で、360度の展望が得られる。この周辺のハイマツ帯には雷鳥が生息している。
1925年(大正14年)7月に、長野県の上村の遠山尚岳会が、神祠を上河内岳に安置する際に易老岳から赤石岳に縦走する際に登頂したことが記録されている[5]。山頂からは、富士山、笊ヶ岳、聖岳、光岳、恵那山、御嶽山など360度の展望がある。夏に雨量が多い。5月に山頂部で積雪することがある。5月下旬頃まで山頂付近の登山道に雪が残ることがある。11月に入ると山頂部では本格的な冬山が始まる。
赤石山脈(南アルプス)の主稜線上にあるため、稜線上にある縦走路の登山道を歩く際に、登頂されることが多い。山頂部、登山道から東に約100 m離れた位置にある。長野県と静岡県の各登山口からの登山ルートがある。1957年(昭和32年)の静岡国体の際に、畑薙大吊橋から畑薙山(標高1,835.5 m)を経て茶臼岳へ至る小鳥尾根のルートが整備されたが、その後荒廃してほとんど利用されなくなり廃道となっている[5]。山頂の南西の約500 mの位置には、「竹内門」と呼ばれるチャートの岩峰の間を登山道が通っている[6]。
登山口や稜線上には、山小屋とキャンプ指定地がある[7][8]。登山シーズン中の一部の期間に有人の営業を行っている。最寄りの山小屋は茶臼小屋で、キャンプ指定地が併設されている。南アルプス国立公園内であり、キャンプ指定地を除き、全山幕営禁止となっている。小屋からは富士山を望むことができ、1997年から食事提供を開始した[9]。小屋の周辺では、水が湧き出し、シナノキンバイ、ニッコウキスゲ、ハクサンフウロなどの高山植物が見られる。かつては仁田池の脇に小屋があった。この池の水は飲用に適さない[6]。
名称 | 所在地 | 標高 (m) |
上河内岳からの 方角と距離 (km) |
収容 人数 |
キャンプ 指定地 |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
聖平小屋 | 聖沢源流部・聖平 | 2,260 | 北東 2.3 | 140 | テント90張 | 静岡県営 |
茶臼小屋 | 茶臼岳北東下 | 2,400 | 南 2.1 | 60 | テント45張 | 静岡県営 |
横窪沢小屋 | 登山道の横窪沢左岸 | 1,610 | 南 2.9 | 60 | テント60張 | |
ウソッコ沢小屋 | 上河内沢とウソッコ沢との出合 | 1,170 | 南 3.8 | 30 | テント7張 | |
聖光小屋 | 便ヶ島 | 970 | 東 5.5 | 24 | テント40張 | 長野県側の聖岳登山口 |
光小屋 | イザルガ岳と光岳との鞍部 | 2,510 | 南西 8.0 | 40 | テント8張 | 静岡県営 |
長野県側(便ヶ島)
静岡県側(畑薙第一ダム)
山頂から北約800 mには南岳(2,702 m)がある。東には大井川まで尾根が延び、山頂から東約3 kmには上千枚山(2,359 m)がある。
上河内岳頂上の三角点 遠景は聖岳と赤石岳 |
聖岳から望む 上河内岳と茶臼岳 |
茶臼岳方面から望む 上河内岳 |
上河内岳から望む 笊ヶ岳と富士山 |
上河内岳最後の登り | 滝雲と影上河内岳 | 上河内岳からの聖岳 | 上河内岳から笊ヶ岳と富士山 |
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.