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『卒業 〜Graduation〜』(そつぎょう グラデュエーション)は、1992年6月25日にジャパンホームビデオより発売されたPC-9800シリーズ対応の育成シミュレーションゲーム。 プレイヤーは新任の教師(新條隼人)として、名門・清華女子高等学校の3年B組に在籍する5人の問題児たちを指導し、一流大学合格を目指していく内容となっている[1]。 3学期終了時点のパラメータによっては社会人になったり主人公と結婚するなど別の道を歩む場合もある。「卒業」というタイトルだが、生徒は必ず卒業できるわけではなく、パラメータの状況によっては留年したり、退学処分になることもある。
ジャンル | 育成シミュレーション |
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対応機種 |
PC-9800シリーズ X68000 PCエンジン(SUPER CD-ROM²) FM TOWNS Macintosh 3DO セガサターン ワンダースワン Windows 98〜XP |
発売元 |
[PC-98・FMT] ジャパンホームビデオ [X68] エクシング [PCE] NECアベニュー [Mac・WS] バンダイビジュアル [3DO] 北部通信工業 [SS] NECインターチャネル [Win] IRIコマース&テクノロジー |
キャラクターデザイン | 竹井正樹 |
発売日 |
[PC-98] 1992年6月25日 [X68] 1993年 [PCE] 1993年7月30日 [FMT] 1993年10月 [Mac] 1994年4月 [3DO] 1994年12月9日 [SS] 1997年9月25日 [WS] 1999年12月16日 [Win] 2004年7月23日 |
レイティング |
ソフ倫: 全年齢 セガ: 18歳以上推奨 [3DO] 16歳未満不適 ※上記以外は特に年齢指定ナシ |
キャラクター名設定 | 設定可 |
キャラクターボイス | 主要キャラのみ |
CGモード | なし |
音楽モード | なし |
回想モード | なし |
メッセージスキップ | なし |
オートモード | なし |
備考 | FM TOWNS版は『卒業 '93』、3DO版は『卒業FINAL』、SS版は『卒業S』、WS版は『卒業 for WonderSwan』 |
本作は『プリンセスメーカー』(ガイナックス)で確立された育成シミュレーションと言うジャンルをさらに発展させると共に、登場キャラクターの複数化・個性化を図ったことで単なる二番煎じに留まらない印象付けに成功。PCエンジンへの移植を皮切りに多数の機種へ移植されると共に、角川書店から「お家騒動」により分離・独立したメディアワークスの全面的なバックアップを受けて広範囲なメディアミックスが展開された。こうしたゲームの製作手法やメディアミックス戦略は『ときめきメモリアル』(コナミ)を始め多数のゲームに採り入れられており、現在まで続いているギャルゲーのスタンダードを確立した作品となっている。
本作のヒットによりシリーズ化され、『卒業II 〜Neo Generation〜』や『卒業III 〜Wedding Bell〜』といったナンバリング作品や、実写版の『卒業R 〜Graduation Real〜(後述)』や乙女ゲームの『卒業M』といった番外編がつくられていった[1]。
平日は前半(月〜水曜)・後半(木〜土曜)ごとに提示される5人のスケジュールを必要に応じて差し替え、パラメータの向上を図る。休日はアルバイト(私立校教員につき禁止されていない)で資金を稼ぐ・休養・見回りのどれかを行うが、見回りの際に生徒と遭遇するイベントが発生する場合がある。イベントは単に買い物の最中に出くわした程度の穏やかなものばかりではなく飲酒・喫煙などの不良行為や風俗店での勤務といった「怪しいバイト」などもあり、その際の対処により生徒との関係が変化する[1]。 このほかのイベントには演劇祭などの学校行事、1学期と2学期に2回ずつ行われる試験がある[1]。 このうち、演劇祭・文化祭では演目と主演を決定し、その成否によりパラメータが変化する[1]。体育祭ではリレーの走者順を決め、順位により全員のパラメータが変化する[1]。 また、試験はクイズ形式で行われ、パラメータを上げれば正解率は高まるが、試験の回答自体にプレイヤーが直接関与することは出来ない[1]。
声優は、特に注記の無い限りPC-98版 / その他の機種・メディアの順。登場人物の苗字はザ・ドリフターズに由来する[1]。
4Gamer.netの柿島真治は、PC-9800シリーズ版におけるボイスの再現方法についてすごい回り道だと述べ、音質はよくないとしつつも、当時はPCから声が出ること自体新鮮だったとしている[1]。 また、柿島は各ヒロインのバックストーリーがないゆえにメディアミックスしやすかったのではないかと推測し、コンシューマ移植時に人気声優を採用したことはその後の声優ブームにつながったのではないかとみている[1]。 一方で、柿島は、キャラクターのインパクト付けなどが現在(2005年)から見ると古いと指摘している[1]。柿島は麗子のデザインには発売当時(1992年)の流行が取り入れられているとする一方で、聖美のキャラクター像ついては発売当時においても現実にはほとんど存在しなかっただろうと述べている[1]。
『卒業FINAL』はファミコン通信クロスレビューでは6、7、6、5の24点[4]。 レビュアーは、性描写には期待できないとしつつも、オリジナル版の面白さが残っている点や、3DOの利点が生かされていて快適なプレイを楽しめる点を評価した[4]。 その一方で、パラメータがあまりにもきっちりデータ化され過ぎていて、育成ゲームというより数値を増やすゲームになっているという指摘も寄せられた[4]。
パソコンゲーム雑誌の編集者である前田尋之の公式サイト「電脳世界のひみつ基地」においてライターの松田は、『卒業R~Graduation Real~』について、派手な化粧が流行していた時代だったため、ヒロイン役の俳優が年上に見えてしまう点が色物的で面白かったと述べている[7]。
本作はメディアワークス『電撃PCエンジン』(現・電撃G's magazine)を拠点に広範囲なメディアミックスが展開された。
メディアワークス発売。渡辺麻実・脚本。後に『卒業クロスワールド』で登場する武蔵三十朗(声:古谷徹)・大和雅子(声:小山茉美)・赤城圭二郎(声:難波圭一)ら教師陣は本作が初出である。
電撃文庫・刊。いずれも渡辺麻実・著。
青年向けOVAレーベル・C.MOONの1作としてバンダイビジュアルより発売(VHS・LD)。全4巻だが、後半2巻はロボットアニメの番外編『聖羅ヴィクトリー』。
高松亜矢作。『ゲームコミックコレクション』(メディアックス)や『コミックマスター』(ホビージャパン)に掲載された作品の単行本化。
真行寺たつや作。『月刊電撃コミックガオ!』(メディアワークス)連載。単行本は全1巻。
続編・クロスオーバー作品は含まない。
1998年1月16日にNECアベニューより発売された実写によるリメイク作品。機種はPC-FXで、後にWindows 95・Macintosh・プレイステーションへ移植された(バンダイビジュアル発売)。
女子高教師となって、生徒たちを育て上げるゲーム『卒業』。『卒業R』は、アニメ絵が苦手な人も楽しくプレイできる、実写版の「卒業」であり、オリジナルの魅力をそのままに、実写ならではの表情豊かなグラフィックや、要所要所に挿入されたムービーで女子高生のキュートさが満喫できるものとなっている[8]。
出演
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